昨日、小石川植物園の秋を見にカミさんと出かけた。
暑さが去り、しかし寒さにはまだ間があるよい気候で、曇り日というのも案外よかった。
期待していたドングリはコナラ、シラカシが少し落ちている程度で、さしたる収穫はなかった。ヒマラヤウラジロガシの巨木を春に見たので、これも楽しみだったが一つも実は落ちていない。今年は生らない年なのだろう。
その他いろいろ新しい発見があったが、今日は三つの巨木をアップしておきたい。
�＼沙卮�見のイチョウ……先日、牧野 富太郎『なぜ花は匂うか』で読んだばかりだったが、平瀬作五郎がそれまでの種子植物の発生のしくみの常識をくつがえす「精子」の存在を発表して世界に衝撃を与えたのが、この雌のイチョウから採取したものという。発見から「60周年」の石碑があったが（1956年にできた）、その60年後が今年なので発見からちょうど120年経ったことになる。牧野博士は発見者の平瀬氏が当時、貧しい帝大植物学研究室の助手で、この偉業が認知されるまでの曲折を熱っぽく語っていたが、その牧野氏も碑のできた翌年には没している。平瀬氏がそれを発見した明治29年に、このイチョウの樹齢はどのくらいだったのか。その歳に120年を足すとこの木の年齢になる。後からやってきた平瀬も牧野も先に死んでいった後に大銀杏は今も何事もなかったように聳え立っている。（写真・左）
�▲魯鵐�チの木（別名 ハトノキ）……植物園に入る時に案内リーフをくれるが、そこにも載っている。ミズキ科で、枝の張り方が独特で美しい。名の由来は花にハンカチ状の苞があるからというが、残念ながら私は見たことがない。この近くにいた時に雨がポチっとやってきた。ハンカチがほしくなるようにとの、天の演出であろうか。 （写真･中）
��クスノキの巨木……日本中にある「巨木」の多くがクスノキ（楠）だそうだ。薬になるからクスの木で、「樟」という漢字もあるように「樟脳」の原料。ライバルは「箪笥にゴン」。 （写真・右）
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