昨年秋口にクルマを買い替えた。
ワシにとっては、クルマ=軽バン の事なので、これで3台目の軽バンだ。
手元に来た時点で、すでに9万Km走ってる老朽車だが、良く走りよる。
名前は「ぐっち」である。
このテのは「商用車」である場合が多く、だいたみんな乗り潰すので、良い中古が出て来ない。かく云ふワシもそれまでの2台のバン「ぐすたふ」と「にっち」は、見事に「乗り潰した」。
仕事に行くときと、ツアーにしか使わぬので、まぁワシにも「商用車」だ。
基本的に、荷物がたくさん積め、屋根があり、走れば、それはワシにとって良いクルマ、といふ事になる。ので、たれかが『お前にクルマを買ってやる』と云ったなら、荷物がたくさん積めて、屋根があって、走る、のを買ってもらふ。
それがベンツでもヤマハでも関係ない。
むかし、社会の底辺をうろつき回って日銭を稼いでゐた頃、同じやうに社会の底辺をうごめく若者達と共に過ごした。
みな、二十歳か、それに満たぬ者たちだったが、彼らの多くが、クルマこそ未来への架け橋のやうに思ってゐた。
いいクルマを持つ、といふ事こそが、彼らのステイタスだった。
愚かにも哀れなことに、クルマを手に入れれば、女も付いて来る、と真剣に考へてゐるものもゐた。
彼らは今どうしてゐるのだらうか?。
ささやかにつつましい家庭を持ち、子供らを乗せる為のクルマを日曜ごとに磨いてゐる、そんな日々を過ごしてくれておれば良い、と思ふ。
あの頃はまだ、彼らにも、ワシにも、未来だけはたっぷりとあったのだから。
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