あだ名の傾向、と云ふものがある。
例えば「渡辺」と云ふ名前の人は、だいたい「ナベ」「ナベちゃん」と呼ばれる。
だが、「石田」「石川」はたいてい「イシ」「イッシー」と呼ばれ、決して「シダ」とか「シカワ」とは呼ばれない。
ワシの「梶山」は、「カジヤン」と呼ばれても「カジ」と呼ばれる事はあまりない。
ましてや「ヤマ」などありえない。
海の向こうはちょいと事情が変わってゐて、
「マイク」「ミッキー」「ミック」などはすべて「マイケル」といふ正式名称の「短縮形」で、こは「ロバート」が「ロブ」「ボブ」「ボビー」などと呼ばれるに等しい。
さう云へばピーナッツのチャーリー・ブラウンは「チャールズ」が本名だし、ペパミント・パティが何故彼を「チャック」と呼ぶのか、子供の頃は分からんかった。
英語圏の「短縮名」は本名と同様に扱われるらしく、日本のあだ名や愛称とも、おもむきが異なるのださうな。
ワシは幼少期からづっと「カジヤン」と呼ばれて来たが、今は何処に行っても、大抵「シュウ」で通る。
このやうに下の名前が通名になれば、世の中はいろいろ楽だ。
世界にひとりだけワシのことを「ブンブン」と呼ぶ人がゐる。
ベースがブンブンうるさいから、ださうな。
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