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2014年04月28日21:03

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超準解析

超実数やその上の関数について研究する解析学の一分野で、アブラハム・ロビンソン(Abraham Robinson)が超実数を考案して(1960年代)、古典的な無限小・無限大の概念を数学的に厳密な形で正当化した理論。
英語(Non-standard analysis)を直訳すれば非標準解析学といった意味であるが、齋藤正彦(1931年 - )が超準解析という訳語を使い始めたためそのように呼ばれるようになった。無限小解析と同一のものとも見なされる。

超実数は実数を拡張した数概念である。実数体に無限小・無限大を加えたものは体をなし、超実数体と呼ばれる。
超実数体は *R,R* などと表記される。その元を超実数という。ただし、無限小や無限大は 1 点ではなく、例えばある無限小について、それより小さい無限小、大きい無限小が存在する。無限大に対しても同様。また、1つの超実数の周りには、それと無限に近い超実数が無数に存在する。

ジェロム=キースラー(Howard Jerome Keisler)は、微積分の展開に最低限必要な前提を単純な公理として以下のように纏めた。
1.R はアルキメデス順序体である。
2.R* は R の真拡大順序体である。
3.任意の有限超実数はちょうど1つの実数に無限に近い。
4.任意の n 変数関数 f に対し、f の自然延長と呼ばれる n 変数超実関数 f* が対応する。特に、R* の体演算は R の体演算の自然延長である。
5.2つの式系がちょうど同じ実解を持つならば、それはちょうど同じ超実解を持つ。

R を実数体、R* を超実数体といい、実数体の元を実数、超実数体の元を超実数という。
超実数の元 x で、任意の正実数 r に対して |x| < r となるものを無限小超実数、ある実数 r が存在して |x| < r となるものを有限超実数、任意の正実数 r に対して |x| > r となるものを無限大超実数という。
キースラー著 「無限小解析の基礎」 の定義によれば、超実数 x,y に対し x - y が無限小超実数のとき、x と y とは互いに無限に近いといい、x ≈ y と書く。

超実数 x に対し、monad(x) = {y ∈ R* | x ≈ y} を x の単子あるいはモナドという。「超実数 x と無限に近い超実数全体の集合」である。
また、galaxy(x) = {y ∈ R* | x - y is finite} を x の銀河という。「超実数 x と有限な距離にある超実数全体の集合」である。

標準部分定理によれば、任意の有限超実数はただ1つのある実数に無限に近い。これは、任意の有限超実数のモナドにはただ1つの実数が属しているということである。
従って、有限超実数 x に対して、x ≈ r なるただ1つの実数 r を有限超実数 x の標準部分といい、r = st(x) で表す。標準部分関数 st は、galaxy(0) なる環から R なる 体への全射準同型である。
つまり、任意の有限超実数 x,y に対して
・st(x + y) = st(x) + st(y)
・st(x - y) = st(x) - st(y)
・st(xy) = st(x)st(y)
である。これは、実数上の演算を、超実数に移した演算で置き換えられるということである。

x を無限小超実数とすれば、1/x は無限大超実数である。さらに、x·(1/x)^2 は無限大超実数であり、x·(1/x) は有限超実数であり、x^2·(1/x) は無限小超実数である。これは、0·∞ が不定であることに対応する。

ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%85%E6%BA%96%E8%A7%A3%E6%9E%90
ttp://en.wikipedia.org/wiki/Non-standard_analysis
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