mixiユーザー(id:5919811)

2013年04月07日19:44

65 view

意思の勝利

http://www.youtube.com/watch?v=GHs2coAzLJ8

前から見たいと思っていた「意思の勝利」を見ながら日本古典文学全集版の『日本書紀』小学館をスキャンしてました。
1934年にニュールンベルグでやったナチスの党大会を扱ったプロパガンダ映画として発禁扱いだった作品ですが、レニ・リーフェンシュタールを語るには必見の作品。
見た感想は、プロパガンダには違いないけどいまだにこんなんで踊らされているようじゃ民度が低いんじゃないかと思います。

レニの力量は各所に発揮されていて、ともすればニュースのような単調な記録映像になるところを、観客を飽きさせないカメラワークと編集で引っ張っていき、感動を呼ぶラストに導いています。
また、レーム粛清直後の党大会であったのでヒトラーが突撃隊(SA)にすごく気を使っているのがわかるのも面白い。
16台のカメラと100人のスタッフで撮影した60時間に上るフィルムを編集するのも大変な作業だったろうが、多用される行進シーンも、カメラの遠近や観衆の映像を入れるなどしてうまく使っていますね。
SSが階段を下りてくるシーンでそろった足を写しているのは、エイゼンジュタインのオデッサの階段シーンを連想させました。
ヒトラーは最後のシーン以外は原稿を見ずに演説していて、しかも力強い。
この辺が彼の天分なのでしょう。

ルドルフ・ヘスは一語一語が聞き取りやすく声がいい。
落ち着いた感じでヒトラーをサポートしていて、ナンバー2向きな人間だったのだなと思いました。
その点、この映画で出てくるゲッペルスは演説下手。
後にニュールンベルグ裁判で被告になるローベルト・ライやフランクも演説しているけど、特別扱いはしていない。
ヒトラーに注目させる手法は、冒頭の飛行機からの映像、雲海の上を飛来し、大会を前に湧き上がり、規則正しく移動する参加者などを上空から撮影し、彼の肉声をなかなか出さないところにも表れているように思います。

やっぱレニには戦後も映画撮らせたかったな〜。
「NUBA」やダイビングの映像だけではもったいない才能のように思うな…。
1 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する