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2010年02月21日17:02

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ディリクレの関数

変数が有理数であれば 1 を、無理数であれば 0 を返す関数のこと。形式的には以下の通り。
f(x) =
 { 1, (x∈Q)
 { 0, (x∈R\Q)
但し、Q は有理数全体の成す集合、R は実数全体の成す集合、\は差集合で、即ち R\Q で無理数全体の成す集合を指す。

式から示されるように、この関数は至るところで不連続である。
さらに、
sup∫[b,a] f(x)dx = a-b , inf∫[b,a] f(x)dx = 0 (sup∫ は上積分、inf∫ は下積分)
が成り立つから、ディリクレの関数はリーマン積分不可能であることが示される
(ルベーグ積分は可能で、その値は 0 である。これは、可算無限集合である Q はルベーグ測度に関して零集合であることによる)。

この関数は、任意の有理数 a に対して f(x+a) = f(x) となる。これは有理数全体の集合が加法について閉じていることによる。
また、この関数は無限個の周期を持ち、かつ定数関数とならない一例である。

ディリクレの関数は、ディリクレ本人によって、
f(x) = lim[n→∞] (lim[k→∞] ((cos^(2k))(n!πx)))
と表わせることが示されている(したがってディリクレ関数は2階のベール関数の一例である)。

その方法は下記の通り。
任意の有理数 q を考える。n! q は、十分大きな n に対して恒等的に整数である。
それに比べ、無理数 r は、いくら n を大きく取っても n! r が整数にならない。
従って、ディリクレの関数は、次のように変形できる。
f(x) = {1 (n!x∈Z) , {0 (n!x∈R\Z) , }} (n→∞) (但し、Z は整数全体の成す集合)
ここで、関数
F(x) = {1 (x∈Z) , {0 (x∈R\Z)
を表示できれば、f(x) = lim[n→∞] F(n!x) となって決着がつく。F は、不連続でありながらも周期的である。
一定の周期を持つ関数として三角関数を考える。(cos^2)(πx) は、x が整数であれば 1 を返し、それ以外であれば [0,1) 内の実数を返す。
[0,1) 内の実数は、無限回冪乗することによって 0 に収束させることが出来る。また、1 はいくら冪乗しても恒等的に 1 となって変化しない。
これより、
F(x) = lim[k→∞] ((cos^(2k))(πx))
が結論付けられる。従って、
f(x) = lim[n→∞] F(n!x) = lim[n→∞] (lim[k→∞] ((cos^(2k))(n!πx)))
となる。

※ f(x)(ディリクレの関数)を可視的に示したグラフ(左画像)および F(x) を示したグラフ(右画像)

ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%81%AE%E9%96%A2%E6%95%B0
ttp://en.wikipedia.org/wiki/Nowhere_continuous_function
ttp://mathworld.wolfram.com/DirichletFunction.html

参照(語彙):
ディリクレ(ドイツの数学者:メンデルスゾーンの妹と結婚した)
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%95%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%AF%E3%83%AC
ttp://100.yahoo.co.jp/detail/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%AF%E3%83%AC/
ベール関数
ttp://en.wikipedia.org/wiki/Baire_function

参照(過去の日記):ほとんど全て
ttp://mixi.jp/view_diary.pl?id=1401429856&owner_id=14882521

参照(未来の日記):測度
ttp://mixi.jp/view_diary.pl?id=1869813072&owner_id=14882521
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