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2026年10月03日00:27

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16年前に見て忘れていた映画ですが、HDVRでは見られないからレンタルしました。ベント・ハーメル監督「ホルテンさんのはじめての冒険」(2007)。

ベント・ハーメル監督はこの作品の前に、「 酔いどれ詩人になるまえに」(2005)と「キッチン・ストーリー」(2003)を見ています。なのにこの映画を忘れてしまって、HDVRじゃ見る器械がないためレンタルDVDを利用しました。16年前に日記に書いていますが、その内容をチラ見しただけじゃ全く思い出せません。

物語は、定年退職間近の機関士ホルテンさんが、そのお別れパーティーの二次会からひょんなことで締め出され、そのせいというかお陰というか、いろんな町の人と出会うという展開です。と、16年前の日記からコピペしましたが、“いろんな町の人”が実に“奇妙”で、その出会いなどに独特の味わいがあるのでした。嘘だと思うなら見てご覧(by 2355←?)。

まず“二次会”の会場に入る前に、ホルテンさんはパイプたばこをふかしたくなり外に残ります。中心人物は、キーロックの“暗証番号”を教えるのですが、“ボタンが効かなくなってるから強く押せよ”と忠告してます。案の定、暗証を正しく打ち込んでもドアはしまったまま。やむなくホルテンさんは、外装修繕工事中らしきビルの足場を昇っていきます。

その途中で、空いている窓から中に入ると、その家の少年が自分の部屋に招き入れます。しかし、彼が寝付くまでいてくれと言われ、結局朝までその部屋に(写真3)。でもって、二次会には参加せずに自宅に帰り、パイプに飽きが来たからと馴染みのたばこ店へと出かけるのですが、昵懇のご主人は先週亡くなったと聞かされます。

さらに雪降る街をさまよっていると、路上に寝そべった老人と出会う。ホルテンさんはタクシーをつかまえ、老人を自宅まで送り届けます。その老人は外交官だったと言い、部屋中にアフリカの民族人形や彫刻などが飾られています(写真2)。その中にジャンプ用のスキーが飾ってあったので、“アフリカでスキーを?”とホルテンさん。いやノルウェー製でした。

その老人が、“目をつむって運転できる”というので、彼の愛犬と一緒に乗せてもらうと、たしかに町中をすいすいと走ります。ところがある場所で止まって動かなくなる。覆面を取ると、なんと老人は死んでいる。とりあえず老人宅に戻り、愛犬とスキーを持ち出して自宅に戻ろうとすると、そこへ車が来る。

それは老人から“若くして死んだ”と聞かされていた老人の弟なのでした。ホルテンさんは弟氏に“発明家なんですってね”と聞いたとおりに言うと、弟は“私は外交官です。家に発明家は一人で十分”とのこと。また、ホルテンさんがスキー板を持ち帰ったのは、ホルテンさんの母親が女子ジャンプの選手だったから。しかし、当時女子はジャンプ競技会にでられなかったそうな。

というような、奇妙な、しかしなかなか人間味に溢れた夢のような話が繰り広げられます。この感覚、僕は大事にしたいなぁ。ケン・ローチのように明快に現代社会の問題点摘出という方向性もいいのですが、この「ホルテンさん」のような、まず世の中にありえないだろうお伽話を、すんなりと納得させてくれる映画も嬉しい。

86分しかない映画ですが、その短い間だけではなく、見終わったあともっともっと長い時間、幸せな気分に浸れます。わざわざ“高画質録画”していたのは、そういう意味もあったのです。それを再生できないため、DVD-Rは捨てるしかないのでした。これはホルテンさんの人生訓とは真逆の話ですね。残念無念。
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