そもそも「モネと時間旅行」という邦題が、何の意味かわからず“?”でしたが、そっちは見れば分かりました。imdbの概要をグーグルさんに翻訳していただくと次のとおり。
>ノルマンディーの田舎にある古い屋敷を相続した従兄弟たちが、19世紀パリで生きた先祖の足跡をたどる物語。
つまり、古い屋敷に残された絵画や写真から、19世紀の先祖たちの足跡が並行して描かれるのです。でもって僕がまず驚いたのは、ヒューマン・トラスト有楽町のスクリーン1が、スコープサイズのスクリーンをドカンと“ワイドスクリーンですよ!”と楽しませてくれたことです。
つまり16:9のモニターでばかり映画を見ていると、横長のスクリーンサイズというものが“上下に黒みのある”上映形態だと錯覚してしまっていたということ。昨今は映画館でもビスタサイズが“最大”のスクリーンだったりする映画館が多く、スコープ画面をフルサイズで楽しむという、本来の楽しみ方を忘れてしまっていました。
たとえば先日「2001年宇宙の旅」を見直したのですが、あれも16:9の上下に黒味が出るブルーレイでした。だからモニターで見るよりは大きいスクリーンだったのですが、初見のシネラマという大スクリーンの威力には程遠い。しかし今回、この「モネと時間旅行」は、フルサイズのスコープ感覚を満喫させてくれました。
たまたま前から4番目の中央に座ったので、スコープサイズの大きさが僕の視野にちょうど収まりました。さらに、音響も実に“きらびやか”で、サラウンド感覚もキツすぎず、実に快調。こういうワイドスクリーン感覚をきちんと味わえるのは、本当に久しぶりに思えました。さらに言えば、かつてのシネマスコープのような“歪み”がないのです。
つまり今回のデジタル撮影の素材は、いわばフルフレームの上下をカットしたという感覚に近い。先日「トロイのヘレン」を見たら、広角レンズで撮影した人物像が、画面の左右になると歪んでしまっていたのです。←「西部開拓史」の場合は、シネラマという特殊な広角レンズだから、ある意味“楽しい効果”なのですが、“部分歪み”は勘弁してほしい。
そんな気分でスコープサイズの映画を楽しむのは、とても久しぶりなのでした。もっともimdbによると、この映画の比率は2.39:1ですから、いわゆるシネマスコープの定型よりも横長ですね。初期のシネマスコープは2.55:1でしたけど。今回は初めてアイマックスを見たとき以来の“感動”でした。←今存在するのは“なんちゃってアイマックス”ですぞ。
それと、過去と現在が交錯する話が、なかなかすんなりと納得できてうれしい。話自体はクリシェとでも言うべき恋愛劇の積み重ねなのですが、ワイドスクリーン効果と音響に乗せられ、すいすいと2時間余を見てしまいました。エンドクレジットの文字が小さいけれど、それこそワイドスクリーン効果で細かく読み取れます。
とはいえこの作品を、ビスタサイズの上下黒味という状態で鑑賞したら、頭にくるかも。そういう意味で、スコープサイズが最大という映画館を選んでご覧ください。間違っても“デジタル上映だから、余ったスクリーンが見えていても気にならない”と、スクリーンサイズを合わせる手間を惜しんでいる映画館で見ちゃダメですよ。
それと、印象派絵画関係の固有名詞がバシバシ飛び交うのがうるさいのですが、気にせずスイスイ楽しみましょう。←僕もパンフを買おうかなと思ったのですが“SOLD OUT”でした。みんな思いは一緒なんですね。下手したら最近は、パンフレットが映画料金と同じくらいするから、売り切れで良かったかもしれません。
ということで、騙されたと思ってこの映画を鑑賞してください。僕は、もう一度見に行こうかな、なんて考えています。←僕は株主招待券があるから、年金生活でもそんな贅沢ができるんです。かつて、息子が幼いときに“騙されたと思って食べてごらん”と薦めたら、“騙されたことがあるから嫌だ”と宣ってました。甘言にはご注意を。
英語題名が「Colours of Time」なので、なんかいい気分。フランス語題名は「La venue de l'avenir(未来の到来)」なので、僕にはピンときませんでした。写真2が、もしかしたら“正しい比率”かも。そして写真3は撮影風景ですが、モネの絵画ってこんなふうに展示されているのか。こりゃホンモノを見に行かないと…、って年齢的にもう無理か?
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