mixiユーザー(id:6327611)

2026年10月06日00:04

51 view

スタンリー・キューブリックの若さと、将来の才能が感じ取れる習作(≠秀作)でした。67分の“完全版”「非情の罠」(1955)。

この映画は、スタンリー・キューブリックが薬局経営している叔父から7万ドル借りて作り上げた自主制作映画のようです。この前に「恐怖と欲望」(1953)という“学生映画みたいな作品(本人談)”がありますが、それをキューブリックは自作から外したがっていたらしい。死後にソフト化するなんて、故人に失礼では?

僕はカーク・ダグラスのファンなので、彼がキューブリックを「スパルタカス」に起用してから、以後ダグラスがキューブリックのことを“才能あるロクデナシ”と呼んだことを重視しています。ダグラスは、実にストレートな表現をしたものだと。知らんけどね。

ということで、この「非情の罠」を中心に、フォトアルバムをミクシィに作りましたので、マイミクさんとその友人までご覧いただけます。ミクシィの日記には写真を3枚しか載せられないもので。
>https://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000121483334&owner_id=6327611

製作費を叔父(伯父かも)さんから借りたお陰で、1954年の10月には撮影を完了していたようですが、公開することが出来ない。ようやく1955年の秋に「現金に体を張れ」撮影という話になったので借金返済の目処がついたそうです。でも叔父は二度と映画制作に手を貸さなかったそうな。

物語自体は面白くもないし、マネキンの大群がちょっとは面白いかなということを、学生時代の“不完全版”鑑賞で感じていました。しかし今回見たバージョンでは、“不完全版”で唯一記憶に残っていた“マネキンの首がポトリ”というカットがありません。その分、とって付けたようなラストも、ユナイトの“配慮”で付け足されたのでしょう。

唯一名前を知っている俳優がフランク・シルベラでダンスホール主宰者のギャング、主人公のボクサーはジェイミー・スミスです。そしてヒッチコックの「裏窓」よろしく登場するヒロインのアイリーン・ケイン(写真2)はアフレコには参加できず、ラジオ俳優のペギー・ロビンが吹き替えたようです。

そんな豆知識はともかく、撮影をキューブリック本人がやったということで、ニューヨークの風景がいい感じでした。彼は17歳のときに新聞スタンドの写真を撮り、それが「ライフ」誌に認められて、写真家として注目されたそうです。FDR大統領が亡くなった日の新聞スタンドですね(写真3)。

タイトルバック(写真1)は、まだ地上駅だったころのペンシルベニア駅。冒頭に、グロリアを待つデイビーを見せておき、回想形式で話が進みます。ペンステーションには、蒸気機関車が乗り入れていたんですね。さすが20世紀の中頃です。←電化しないと地下駅は無理でしょうしね。←でもロンドンの地下鉄は蒸気機関車で始まったっけ。

グロリアの姉としてバレリーナが登場しますが、それがこの映画の後結婚するキューブリックの2人目の奥さんルース・ソボトカです。あ、「2001年宇宙の旅」でフロイト博士の娘を演じていたテレビ電話のキューブリックの娘ビビアン・キューブリックは、三人目の奥さんクリスティアーヌの娘です。

あかん、どうしてもトリビアばかり書いてるな。この映画の画面のタッチを、きちんと伝えたかったのに。やはり映画というものは“ルック”がいちばん大切だと思います。だって「2001年宇宙の旅」の衝撃は、まさに“ルック”じゃありませんか。何行かの言葉で言い当てられる“中身”なんて、しれています。映画は映像の衝撃が命です。
4 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2026年10月
日 月 火 水 木 金 土
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031