mixiユーザー(id:6327611)

2026年08月29日00:02

76 view

実に興味深いドキュメンタリーでした。BS世界のドキュメンタリー「AIが治療を拒む? アメリカ・医療保険の落とし穴」(2026)。

imdbによると原題は「AI Confidential with Hannah Fry(ハンナ・フライによるAIコンフィデンシャル)」で、50分番組らしいです。アメリカの大手医療保険会社のCEOが射殺されます。この会社は保険審査にAIを用い、治療の打ち切りや保険給付の拒否につながった可能性が指摘されており、SNSでは容疑者を英雄視する動きもあります。

いかなる場合であっても、“容疑者を英雄視する”というのはいかがなものか?と僕は思います。僕には僕なりの倫理観があって、それは“自分が現状復帰できない事柄をやってはいけない”というものです。誰かを殺すということは、まず現状復帰が不可能だから、それは“やってはいけないこと”なのです。

題名が「AIが治療を拒む? 」というあたり、いかにも今風の命名ですね。しかし“AIが治療を拒む”という行為も、実際にあるはずがないと僕は考えます。大手医療保険会社のCEOが“AIを利用した”というべきでしょう。おそらくCEOは、会社の損益分岐点をAIに示させ、利益が出るように治療の打ち切りや保険給付の拒否をしたのです。

つまり、人命を扱う医療行為などの判断に、利益を生むか産まないかという論理を持ち込むことが間違っているのは明らかです。しかし昨今は、すべての社会的行為が“利益を生むか否か”で判断される時代になっています。僕も、その“不正義”には反対しますが、だからといってその判断を選択したCEOを殺害していいはずがない。

ことほど左様に、正義というものは確固として存在するにもかかわらず、SNSなどで“炎上”すると、露骨な意見が正義かのように扱われるのでした。かつては新聞など“社会の公器”が、正しい方向性を示唆していたのですが、最近のマスコミ報道などでは“正しい方向性”などを示唆することすらありません。政府の代弁しか行っていないマスゴミが多い。

今回のドキュメンタリーは、ハンナ・フライという数学者が中心になって話を進めます。そういう意味で、全体像が極めて明確でした。CEOを射殺した容疑者にも分はあるけれど、殺害する権利は一市民にあるはずがないのです。そんなものアメリカの大統領にだってあるわけがないけれど、大国の指導者は得てして自分にその権利がある気でいる。

というような、実に明快なドキュメンタリーでした。問題は、現実の社会において、冷静に考えた場合の正義というものが実行されるのかどうか、ということです。ここ数年のウクライナへの侵攻や、パレスチナでの戦闘などを見るにつけ、勝手な利害関係が“正義”をないがしろにしています。

無理が通れば道理は引っ込む訳で、世の中ますます住みにくくなっていますね。とはいえ、やはり“正しいこと”には従うという方向性がないと、弱肉強食の野獣社会でしかなくなりますから、何があっても“正しいこと”には従いたいと思うのでした。
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2026年08月>
日 月 火 水 木 金 土
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031