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2026年10月07日00:04

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いつの時代にも“手抜き”仕事を優先する“あくどい”商売があるようで。池田宏演出「空飛ぶゆうれい船」(1969)。

公開は1969年7月、「夏休み 東映まんがまつり」の一本として公開された長編アニメです。僕は22歳でしたから、当然「東映まんがまつり」なんか“卒業”しています。それでも、東映チャンネルで放送されたら“チェックしてみよう”という色気が出て、いちおう録画しました。DVD-Rに焼く前に見て消せばよかった。

原作は石ノ森章太郎だそうで、物語を例のデータベースからコピペします。
>ある夜、謎の幽霊船が黒汐財団に所属する大型船ばかりを襲うという事件が起こった。その後、今度は幽霊船の使者と名乗るロボットが現れて町を破壊し始める。ロボットの攻撃によって両親を奪われた少年・隼人は、両親の仇を討つために、愛犬のジャックと調査を開始する。すると、幽霊船に襲われた被害者であるはずの黒汐財団が、実は大規模な兵器工場を持っていたことが分かる。実は黒汐財団は、海底魔王“ボアー”の手先だったのだ。では、黒汐財団と対決している幽霊船の存在とは、いったい…!?

何が不満かと言うと、まずタイトルバックでした。スタッフや声優さんたちの名前が現れるシーンが、静止画だったのでムカついたしだい。2分半も静止画でクレジットを見せるなよ。曲がりなりにも“アニメ”を作ってるはずやろ。たとえばオーソン・ウェルズの「審判」みたいに、ピン・スクリーンの味を示すならともかく、これじゃ単なる手抜きです。

おっと、東映動画の“子供だまし”作品に対して、オーソン・ウェルズを持ち出すのは大間違いでしたね。奈良ドリームランド(知っとるけ?)のアトラクションを、本家ディズニーランドのアトラクションを並列に述べるようなものでした。←しかし、“東映動画”と名乗っているのに、アニメ(=動画)手法を無視するのはどういうことだ?

つまり僕は、60分もかけてこの映画を見てしまった悔しさに怒りをぶつけているんです。そんなヒマがあれば、テックス・エイヴェリーの“ドルーピー”シリーズを5本見直したほうがよっぽど建設的です。いやいや、1本見直すだけで十分。東映動画のみなさんが雁首揃えて、同じコマを何度も何度も再利用して60分の尺を作り出している。恥をしれ。

そしてまた原作者が存在するわけで、その原作が持つ波乱万丈の物語を、ろくに動きもしないアニメで語ろうとするから、とことん出来の悪さだけが際立つのです。少なくともアニメとしての動きや感動というものが皆無なのでした。黒汐という社長さんが唐突に現れ、いかにも悪役っぽく登場した骸骨船長が善玉だなど、まさに子供だましだ。

そんなスタッフの名前の中に、後にジャパニメーションを世界に広めたあの方の名前も入ってました。きっと忸怩たる思いで仕事していたんでしょうね。まだ虫プロの仕事の方が“やりがい”があったのでは?←手塚治虫はキューブリックの仕事依頼を断ってまで虫プロ再建に必死だったわけですし。

というような世界的な動きの中で、お約束の“まんが祭り”の1本としてお子様たちに提供していた作品がこれかよ、と僕は怒り心頭です。そういえば東映って、様式化した勧善懲悪のイカサマチャンバラ映画で大儲けした会社でしたね。それが黒澤明の「用心棒」で壊滅的打撃を被った。しかし悪貨は良貨を駆逐するのです。

ちょうどこの作品が公開されたとき、僕はジョージ・ダニング監督の「ビートルズ/イエロー・サブマリン」(1968)に夢中でした。あのイラスト集も買いましたよ。←1969年の僕のベストワン映画ですから。世の中、天と地ほどの差というものが存在するのです。心あるスタッフたちは、みなさんそれを払拭しきれましたか? ま、頑張ってください。
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