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2025年11月24日23:42

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「プレデター バッドランド」を見て。〜狩猟猛者たちの居場所を追われたハンパもんのイッパツ大逆転〜

所有権利の再活用に全米各メジャースタジオが躍起となる中、配信作品での準備を経て宇宙最強狩人がスクリーンに再び登場。去年先駆けて仕切り直した、同じスタジオ出自の「エイリアン」は、基本、待ち構えて本能のまま襲って、行動の源となる性格に心情や思考が伺えないので「恐怖振り撒き装置」みたいなものなので。特に過去作と異なる新味も見いだせなかったので、見向きしませんでした。

対してプレデターに関しては、筋肉系ゴリ押し活劇全盛の80年代に、主役を負った各人が作品を競って無敵を誇る間に「勝って当たり前」になって来て。マッチョジャンルの双璧の1人、アーノルド・シュワルツェネッガーの人類を超えた対戦相手として編み出されたのが、はじまり。

強き相手を狩り倒す事を生きがいとして、宇宙を渡り歩く。一見すると、侵入者を捕食するエイリアンと獰猛、無慈悲といった印象を持つところだが、弱き者には見向きもしないという信条を秘めている。筋肉猛者と渡り合うフィジカルの持ち主のうえに、赤外線が定まったら「終わり」のレーザーポインターや、カメレオンの様に周囲に同化するウェア的なものだとかハイテク兵器を携帯していて。屈強な相手の優位を取って狩を実行し、命をものにしてゆく。その間追い詰める相手をプレデター視点で捉えた時の画像が体温を視覚で認識するサーモ映像で見せるのが、本作の代名詞的ビジュアルとなっている。

人間の対戦相手として、キャラクターの名前を冠した作品を積み重ねて来たところ。新たな切り口を求めて、真にキャラクター名をタイトルとして打ち出すに相応しい主役として本作は描かれる。そして、立場も変わって、追い込む側ではなく、追われる側に転じている。

1作目、彼らの戦闘装飾の一つである「仮面」を取って顔が見えると。シュワルツェネッガーが開口一番、「醜い奴だな」と発するくらいに美的水準を大きく離れた四本の牙の間にヒレのような皮膚を張って口を覆い、のぞき穴みたいなチッサな目が奥まって据えられて。後頭部は、縄の様に髪の毛を数本に束ねたみたいで、レゲェの人みたいな風貌。

そんな容姿の狩猟星人の一人デク君が主人公で、「最強」でなければ認めないと、その間あるショッキングな出来事は省略するけど、自分の為だけでなく、いろんな事を晴らし居場所を得るため過去に誰も果たせなかった獰猛な獣を狩って帰るべく生息地の星に赴くも着陸に失敗して、先述のハイテク兵器の殆どを宇宙船に残して単身、得体の知れない生物が蠢く地上に舞い降りる。絶対兵器が手元になく、至近距離で使う殺傷武器だけのほぼ丸腰で放り出されたデク君であった。

追い込む立場を降ろされて、優位の象徴のサーモ目線画像も無く。血気だけは盛んだけど、装備もスキルも乏しく気持ちはただ焦るばかり。どん底でやる事は裏目状態なのだけれど。「ホウセンカ」ばりに、大逆転を果たすべく、狩猟星人としてのステップアップのための試練体験となる。

それは、目的の獲物を追い求める道中で巡り合った女性型アンドロイドのティアの存在があったから。「名もなき者」でディランと別れたエル・ファニングが、下半身をグリーンマットで覆って、上半身の半壊状態でデクの背中に担がれるという、「女優として演じ甲斐が萎えなかったのか」ってのは、こちらの勝手な想像だけれど。道案内を務める事で移動の手を借りる間に、その荒地の生態系情報はもとより、身のうち話から、強い者達を統べる心得まで、朴訥なデクに対し一方的に彼女が喋り倒す。

醜い怖がらせキャラではあるが、先述の通り頭と心は備えているので。唯我独尊、我が道を独り行く自己完結型の狩猟星人は、謙虚に相手の話に耳を傾け共鳴して行く事に慣れると事態も好転を始める。ここまでのシリーズにおける星人人格が違う方向へ舵を切った感も拭えないけれど、同時に先人たちが迎えた運命より明るい方へ転んで行く。この過程のお陰で、過去シリーズの既視感は霧散して、見る者を引き込む原動力となる。

なので、シリーズに馴染み無くとも、この手のジャンルに求める満足度は保証されている。約1時間50分を、面白かったねって済ませられる作品では、あるのだけれど。「誇り高いプレデター 一族は、強い者だけしか認めん」とか、「企業命令には、忠実でなければならない」とか、「妹は姉に従わねばならない」等、なければならない枠にハマらないと異端と見做され。そのハミダシ者で見做し家族たちが、大きな力に反逆を試みるという図式は、「ワン・バトル・アフター・アナザー」にも通じなくもないし。ひいては、今のアメリカ社会にも一撃喰らわせている様にも映るのは、欲目が過ぎるか。

クライマックスで、接合し損ねたティアの下半身が、上半身からのコントロールで蹴りだけで、下っ端の敵キャラを蹴散らす画はシュールだった。そして、有人操作の作業用ロボットと巨大生物のぶつかり合いは、我が国の映像で見慣れた画で、米国メジャー作品でその影響も度々目にしている。

ただ、スターウォーズのイウォーク族みたいに、カワイイ受を狙ったかのクリーチャーが途中、デクとティアの道中に絡むのだけれど。第二第三形態とか怪獣映画の始祖に倣って、変化を付けて欲しかったなと。そうすれば、クライマックスもより締ったのに。あと、見終わって思い返すと、デク君が反撃に向けて「仕掛け」を準備する件は、1作目のシュワルツェネッガーの行動を踏襲しているのだな。

時間の都合で、吹替え版での鑑賞とりました。デクに関しては、作り手が編み出した「プレデター原語」を操るので字幕付きオリジナル発声のままでした。だから、エル・ファニングを担当する早見沙織さんの一人芝居状態。「鬼滅」では、追い求めた仇との対決に怒気で張りつめた声色だったけれど、一転、明るく弾んだ声で吹き込まれていたのも役イメージを増幅してくれて更に得した気分。

拙文にお付き合い頂き、ありがとうございました。
シネマサンシャイン沼津 シネマ�Α‘�本語吹替え版にて

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