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2024年10月15日23:14

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「ふれる。」を見て。〜結論 高田馬場 「伝える」のは難しくとも、自力によるべし〜

人ではない生命体の「仲立ち」によって、絆を育んだ3人の物語。他者との関係の築かれ方が、据え膳的に「他力」なところに、気後れだとか理解され難い「囚われた気持ち」に藻掻く姿を不格好でも描いて来たと思う脚本家の岡田磨里さんが手掛けるにしてはアッサリしていそうで、予告を見ても気がかりは解消されず。それでも、10代ではなく、少しあがった20代の男の青年を描くという事で、新機軸が打ち出されるものと願っていたのですが。

監督とキャラクターデザインを入れた3人による、多くの共感を得た青春三部作の舞台埼玉秩父から、都会に進出して高田馬場に移って。ロケハンとか、きっと丁寧にされているでしょうから、主人公の男三人が共同生活を送る、木造2階建でベランダへ階段の窓から出入りする不便な造りの貸家も実際にあるのだろう。ホームドラマ的に貸家が舞台となるので、割と細やかに描き込まれていたし。そういう点では、実写まがいだったりするも、ものは言わない生命体の「働き」の実体が判ってアニメーションならではのスペクタクル風の展開と共に3人の間にもたげた「疑心暗鬼」も含んで解決を迎え尺の中で総て収束する。

綺麗に着地したと言えば、聴こえは良いのだけれど。
見る前の「懸念」が、晴れる事なくその通りであった。

小学校での学校生活なんか、見た目が良く「かけっこ」とか体育で頭が抜け出ていれば安泰に送れるそうだけど。家庭環境もあってか、話下手で、それで苛立つと手が出てしまう主人公が、当時生活していた離れ島の言い伝え通り、封印場所で見つけた生き物「ふれる様」を放課後クラブで、気にしていながら先の様な事で友達関係に発展できない男の子二人に知られた途端に、相手に触れる事で気心が通じて。以降、気のおけない間柄として都内で共同生活をするまでに続くのだが。

ハリネズミみたいな「ふれる様」が、人が密集する都内で暴走して、悪意も歯に衣着せずに通じ合って都民ひとまとめでギクシャクしかけた時に、主人公が、「力に頼らず、向き合えばよかった」って。どんなに遅くとも、自ら気が付くのは良い事だけれど。ストーリーの前提を崩して、まるで「振り出しに戻る」の双六のマスに辿り着いたかのようで。展開としては、めでたしのつもりでも、こちらの作品への思い入れは離れて行きました。

主人公がバイトをしているカクテルバーの近所で、ストーカー被害に遭う女性を助けるのだけれど。一緒に居た女友達と共に、男三人が暮らす木造二階建ての貸家に転がり込んで来て。当初は、コミュニケーション省略のボディタッチをしているところを見つかって、性嗜好の要らぬ嫌疑を掛けられるも。それぞれ、お年頃の成年男子三人なので、恋心の行き違いが生じて。それが、ギクシャクに火を付け、激しく反発を燃え上がらせる焚き付けとなる。ストーカー事件とか、他者への不信を払拭出来ない事件が続いているのに、幾ら窮地を救ったからといって、ガードを下げて隙を見せて近づいて来て。そういった手狭になった借家で寝食を共にしつつも、単なる共同生活者としてドライに共存するのか、求める相手に胸襟を開いて近づいて良いものなのか。この女性二人の介入者によって、コミュニケーションの難しさの段階が格段にあげられてしまう。

幾つ歳を重ねたところで、コミュニケーションは難しいものではありますが。今を生きる若い衆が対面する人付き合いって、こうも「次元」が違うものなのか。脚本の岡田磨里さんは、同性として可愛い子の無意識や隙によって生じさせている行き違いや悪意といったものに、モノ申したかったのかと邪推をして見終わった気持ちをコントロールしています。ひょっとしたら、去年自身の監督作「アリスとテレスのまぼろし工場」に掛かりっきりで、こっちは、急ぎ仕事だったのかも。これも、こちらの邪推ですが。

あと、声質から受け取られる通りの役を津田健次郎さんに振るのも、こちらとしては如何と思ってしまう。イメージを覆すキャラクターに声アテした作品と巡り合えますように。

拙文にお付き合い頂き、ありがとうございました。
シネプラザサントムーン 劇場�△砲�

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