外国映画と違って、自国製作の邦画は、運悪く公開が延ばされる作品があっても、去年とは違って、新作が切れる事は無かった。しかし、一部作品には、製作費の早めの回収か、割引一切無しのものもあったりして。それも機会喪失の切っ掛けの一つだったりしたが、それまで、夫婦割引を使って、コンスタントに見られていたのに。今年は、ソロで見に行かざるを得ない状況が、殆どでした。
海外で評価を得た作品だとか、地味だけど、口コミで持ち切りの作品とか、この地方にも来たけれど。守りに入っているって言われてしまえばそれまでですが、他所には目もくれず、本心から欲する作品だけ追いかける。見立てと違った作品でも、何かを見出して受け入れるよう心掛けては、おりますが。ベスト20を選べるほどの鑑賞本数に及ばずとも、どれもが愛しい中、10本に絞ってみました。では、カウントダウンで、ご紹介。
(各作品の冗長な感想は、鑑賞日以降の日記に御座います。)
��劇場版 きのう何食べた?
ダイバーシティーについて取り上げるとか気負ったりすることなく、同棲する男2人が食卓を取り囲む「日常」を綴る。理解がまだ及ばぬ「周囲の方」を糾弾も切り捨てもせずに、関係の在り方を見せていて。TVドラマを知らずとも、途中乗車の間口は、広いです。
��茜色に焼かれる
コロナ禍を生きるシングルマザー像を受け付けられない声も、散見されましたが。傍から見れば、腑に落ちない生き方をしているのは誰かしらあるでしょうし。この御時世特に、自己責任が求められて個人が孤立する中、ヒロインが、吹っ切れて突き抜ける様が、心強い。
�┯貧気侶� LEVEL2
製作委員会方式で「軒」を貸して、薄まる映画会社の不良感性とアウトロー気質の継承を松坂桃李さんに託した、第2ステージ。暴走止まらぬコング亮平に注意を削がれて、危うく滝藤チワワ君の罠にハマるのを回避して、ミッションクリア。オオカミ強度を増した桃李は、次の獲物を探し、彷徨うのである。
��JUNK HEAD
ハリウッドからの製作費拠出の甘い誘惑を断って、映画の全仕事を背負って独り一コマ一コマ積み重ねて7年間かけて1時間40分を撮りあげた堀監督。緻密に創り上げられた地下世界を、駆けまわり飛び上がる不気味な生物の「動き」を目の当たりにする、劇中の人間キャラを通して、我々見る側も、人形が発揮する生命力を直視する。
�Δ�そけきサンカヨウ
10本のバランス考えて外した「あの頃。」と対極に、清く落ち着いて、凪を連想させる穏やかさ。劇中の会話の端々に伺える感情の揺れ動きと、カットの繰り返しによって、主人公の女子高生を活写する。誰の目にもハッキリ映る、手法は取らなくとも、見つめ続けた果ての感激が、じわり沁みます。
�ゥ轡鵝Ε┘凜.鵐殴螢�ン劇場版
中二病の代表格の主人公シンジの失意からの自力の立ち上がりからの、心理形成に過大な悪影響をもたらした父ゲンドウばかりか、彼に係る14歳で成長の止まったエヴァパイロットの救済までの働きを、スペクタクルな映像表現で、長尺が全く苦にならず、複数回見てしまった。
�ぅ筌�ザと家族 The Family
出所後の更生にもがく役所広司さんと、被るところがありますけど。こちらは、若気にまかせて突き進む勢いが激しい分、突き落とされる絶望の淵も、相当な深さがあって、胸が痛みます。綾野剛さんが熱演でしたが、彼を取り囲む、舘さん、北村さん、尾野さんら「家族」の引き立てで、より主役が際立つ。
�I佑猟�日の嘘つきどもと
その昔、主催していた劇場付き映画サークルの後見人は、私よりも大先輩で、長きに渡る劇場勤務の経験と、沢山の映画に触れて培われた見識で、我らを導いて頂きました。本作の、大久保佳代子さんや、柳家喬太郎さんを見ていると、どうしても思い出されてしまいます。ただし、大先輩には、私が、イタリア製の閉館する映画館の話が嫌いな事を、チクチク責められましたけど。
��街の上で
�Δ函屬△虜◆�」と本作を見て、小泉力哉監督作品を、今後も見続けていく事を、確信しました。中でも、本作は、下北沢を舞台にした群衆劇という、広がり故につかみどころの絞り難そうなところ、若い役者の会話の応酬や間を、巧みに掬い取りながら、ありきたりな状況から盛り立てて見せて。3作の中で、最もお薦めです。
�,垢个蕕靴�世界
まるで浦島太郎のような、刑務所から長い年月の刑期を経て、社会に放り出された男。彼の子供と変わらない豪放な性格と、悪戦苦闘する様子に、前半では可笑しさも垣間見えたけれど。彼を通して見える、今の世の生き難さを映し出すかの、建物がひしめく間に覗かれる「空」を切り取ったショットが、鮮明に残っています。
今回もオマケ
意味は、なさぬが。各賞発表風に、作品評価以外の事を徒然に。
・主演男優賞 やっぱり、役所広司さんになるな。
・主演女優賞 文句は言わせぬ、尾野真千子さんで。なんなら、「ヤクザと家族」
で助演も
・助演男優賞 いろいろ上がるけれど、舘ひろしさんを推します。
・助演女優賞 出番は短くても、キムラ緑子さんのあの一言の威力は凄かった。
・主演声優賞 はじまってから25年、中二病の心を保ち続けた緒方恵美さん。
・一生一度の名演賞 大久保佳代子さん&柳家喬太郎さん 万が一、あらたに名演を見せ
たら丁重に、回収させて頂きます。
・監督賞 西川美和さん
・脚本・脚色賞 小泉力哉さん
・クールな独立
クリエーター賞 堀貴秀さん
・主題歌賞 上っ面のタイアップでない、作品終幕の余韻とのハマり具合を讃え
「炎」LiSAさん
拙文にお付き合い頂き、ありがとうございました。
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