Eテレでやっていた「こころの時代」さとりへの道 華厳経に学ぶ 6 の内容メモ。
講師は東京大学名誉教授木村清孝。
『華厳経』
1600年前に成立。
縁起的世界観。
「インドラの網」宮沢賢治
詩人・小説家 高銀(1933-) 小説『華厳経』
「剣と火、そしてすべての悪魔も、それが愛であるのを、彼(善財童子)はすっかり知ることができた」
「悪は仏陀であり、あらゆる恐怖は慈悲であった」
愛
共に分かつ
異体相即(対極にあるものが一つになる)
「狂者のうわ言とブッダの三昧を一つに見ずには、そこにすっくと構えて待っているのは地獄であるのみだ」
井筒俊彦(1914-1993)
コーランの訳者。
体験的な知を持ったうえで、哲学的探求を続けた。
「東洋の哲学的伝統では、そのような次元での「存在」こそ 神あるいは神以前のもの、例えば荘子の斉物論の根拠となる「混沌」、華厳の事事無碍・理事無碍の究極的基盤としての「一真法海」、イスラームの存在一性論のよって立つ「絶対一者」等々である」『意識と本質』
事事無碍ー物事は独立して個々に存在するのではなく、お互いに影響し、よって立って存在している。
本質とは、個々に独立して存在しているように見えるものを突き抜けて、一体融合しているもの。
物理学者 フリッチョフ・カプラ(1939-)
細分化してきた研究に疑問を投げかけ、統合的観点から研究をするべきだと主張。
1975年『The Tao of Physics』
一見対立的な陰と陽の関係が、相互補完的な関係にあると説いた。
「『華厳経』の中心テーマは、すべての事物・事柄の統一性と相互関連性である。この考え方は、東洋の世界観の本質そのものでるのみならず、現代物理学から出てきた世界観の基本的諸要素の一つでもある。
そういうわけで、この古代の宗教のテキストである『華厳経』は、現代物理学の複数のモデルと理論に対して、もっとも衝撃的な類似点の数々を提示しているとも見られよう」」
物理学は本来、質量を持つもの、とらえられるものを扱う学問であったが、量子論では場としてとらえることが出てきて、空とか、関係を持って存在するという華厳の思想と共通してきた。
宇宙物理学者 ローレンス・クラウス(1954-)
『A Universe from Nothing』2012年
華厳経に近い宇宙観を持つ。
宇宙は人間の好むと好まざるとにかかわらず、あるようにしてある。
ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の、神によって作られた宇宙という見方に対するアンチテーゼ。
如実(ありのままにある)というのがこの世であり、ありのままに見るというのが仏の見方なのだというとらえ方が仏教にはある。
あるものを先ずあるがままに見ようというところが、この人と仏教との共通点としてある。
宇宙が無から生まれ、終末があるという見方や多くの宇宙があるという見方も、華厳経の蓮華蔵世界の十方に無限に宇宙があるという見解と一致する。
※このローレンス・クラウスは、Eテレでやっていた「宇宙白熱教室」で興味深い宇宙物理学論を展開してくれていた方。
二兆年後には、我々の銀河とアンドロメダ銀河が合体し、他の銀河は光速を越える場の移動によって見えなくなるという話をしていた。
四劫説(成住壊空)
形成・安定・崩壊・空虚
これが、人間が持つ「業」の力によって転回して行くという見方。
華厳経では、仏の世界は永遠に続くのだが、その世界は「願」によって作られるとする。
ただ、科学と宗教は違うので、イコールで考えるべきではない。
教条主義的に理解するのではなく、現実に即して解釈すべきだ。
『一乗十玄門』智厳の注釈書。
縁成ー縁起をもっと積極的に解釈した概念。縁によって成る。縁から派生したものを完成させていくということ。
↓発展させる
共成ーお互いに許し合える、築きあえる、世界を造って行く。それによって、共に菩薩になって行く。
それによって、我々のコミュニティの平安が実現し、世界平和が成って行くのではないか。
最後に一言。
「華厳」−仏を華で美しく飾る。雑華厳飾(いろんな花で、きらびやかにではなく、厳かに深く飾り立てる)。違った個性を持ち、違った働きを持つ花々で仏の世界を飾るという事。
華厳世界はもともと仏の悟りの世界であり、きれいなのだが、そこに花を添えるという事が大事。
各々が、仏の世界に美しい花を添えるような生き方をしていってくれれば嬉しいと思う。
※『華厳経』についての講義の六回目で、まとめ。
全体を通して、やや失望した回もあったが、なかなか面白かった。
究極は、どの宗教でも似たところに行きつくという事。
私が子供の頃の百科事典では、多神教は宗教の原始形態であり、一神教に発展していくみたいなことが書かれていたけど、いまから思えばあれは、キリスト教のような一神教を信仰している人が書いた見方で、一神教のダメさは、生きていくうちにおいおいわかってくるということなのだと、考える今日この頃だ。
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