出かけてました。
場所は、都立駒込病院。
患者はすい臓がんで、発見されてからも剣道の稽古に来ておられた方。
昨年12月25日の稽古納めにも参加され、28日から車中泊で単身三泊四日の伊豆旅行をされていたという。
それが、正月二日に耐えられないくらい容態が悪化し、緊急入院された。
以来、食べても皆戻してしまうそうで点滴だけ。
痛みどめの薬でもたせていたが、アバラが浮き出て、腹には水が溜まり、妊婦のように膨れていた。
もう薬も効かなくなるので、来週にはホスピスに移動するという。
一緒にお見舞いに行った道場の○中さんは慰めの言葉も見いだせなかったようだが、わたしは
「人間一度は死ぬんです。我々だっていつかは死ぬ。それまでどう生きるかだと思いますよ」
と話した。
同じく癌で、手術もできないと言われた○村先生が
「余命っていうのはね、死ぬ覚悟をする時間なんだ。覚悟はできているかい?」
と話していたが、この方もそんな段階に入ったのだろうと思う。
「医者のいう事なんか信用するな」
「きっと元気になるからがんばれ」
などと、能天気なことを私は言えない。
他人に見せるために見舞いに行ったんじゃないから、逢えて話せないんだったら行かないつもりだったが、奥様に電話したら話せるようなので行ったのだった。
疲れさせてもと思って、早々に退席しようとしたら、当人が寂しいようなそぶりを見せたので、もう少し話を続けた。
なるべく笑顔で、当人が興味を持ちそうな話をした。
○中さんも話を合わせてくれて、お互いに楽しい時間が過ごせたのではないかと思う。
「また来ます」
そういって別れたが、来れるかどうかは、当人の容態次第だろう。
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