mixiユーザー(id:28703480)
2018年12月03日20:03
330 view
シアー・ハート・アタック
1977年頃、ロンドンパンクが生まれた。
パンクのルーツは諸説あって、1976年頃ニューヨークパンクが生まれ、ロンドンに飛び火したという説が有力だ。
とにかく日本に入ってきたのはロンドン・パンクだった。
1978年くらいじゃないかなぁ？
ロンドンパンクというとモッズマナーのジャムは別として、なんといってもクラッシュとセックスピストルズだった。
ブティックの常連のガキらを集めて、マルコム・マクラーレンという大人がでっち上げたセックスピストルズはとにかくお洒落でイカしてた。
セディショナリーズ（のちのヴィヴィアン・ウエストウッド）のガーゼ素材のシャツやタータン・チエックのボンテージパンツ・・・完全に王室や権威をおちょくるようなファッションがカッコよかった
僕は小学校高学年だったけど、ヤツらの演奏の下手さもスカしたアティテュードもカッコよくて一発で夢中になった。
一方でクラッシュは穴の開いたジーンズで革のライダーズジャケットで・・・恐らくラモーンズあたりの影響だろうが・・・これまたかっこよかった
僕はどっちも好きだったので、ヴィビアン・ウエストウッド風のライダーズ・ジャケットを作った。
パンクというのはなんでもデストロイ！！って事じゃなくて、気に食わないものはぶっ壊し、自分なりのサムシング・ニューを作れ！！って事だ。
特に口の悪いピストルズのジョニー・ロットンはそれまでのミュージック・ビジネスの大物たち食ってかかっていた。
パンクロックっていうのは、ことごとく商業主義を否定した。
当然、クイーンも当初その標的だった。
ところが不思議とフレディとロットンは気が合うらしく、同じスタジオで談笑してたという逸話が残っている
「世界に捧ぐ」をレコーディング中のスタジオの隣のスタジオでピストルズは名盤「勝手にしやがれ」をレコーディングしていた。
そして、このシアー・ハート・アタックっていうのはクイーンからパンクロックへのアンサーソングと言われる。
この曲はリズムギターも作者のロジャー・テイラーが弾いている。
しかもこの曲はこのアルバムの3つ前のアルバムのタイトルでもあり、そこに収録される筈だったのだ！
これがクイーンの凄さなのだ
当時の大物バンドたちでまともにパンクと対峙したバンドはいなかった。
みんなあんなもんすぐ消える・・・時代のあだ花だとナメていた。
パンクのオリジネーターと言われるボウイやザ・フーあたりは別にしても、所謂、スタジアム・ロックと言われるバンドの連中は完全にナメていた。
確かにパンクはすぐにメジャーシーンから消えてしまったけど・・・その後が凄かった。
あんな程度の演奏技術でいいならと、みんな若者たちが表現を始めた。
ポストパンク、ニューウェーブの連中だ。
かくいう僕もバンドを始めた。
そしてそれまで学んでいたアカデミックな音楽やアートの手法を投げ出し、ひたすら実験に勤しんだ(
՞ਊ ՞)
みんなそれぞれ下手くそながら工夫し、色んな実験を始めるもんだから・・・ミュージックシーンは一変してしまった。
知ってるコードを適当に搔き鳴らしているだけなので、それまでの音楽理論に当てはまらないコード進行が生まれたり、楽器が弾けないからとチェーンソーでノイズを出すヤツらとか・・・演奏はろくに出来ないが、エレクトロニクスに精通してるヤツらはシーケンサーでループを作った。本当に何でもありだった
結果としてパンクロックはミュージックシーンを変える火種となった。
クイーンが凄いのはその柔軟性とその実験精神である。
例えば、パンクの後にエレクトロニクス・ポップやダンスミュージックの時代が来るが、ドラムを打ち込みにしたり、ジョンのベースはシンセベースになる事もあった。
みんな達者なプレイヤーなのに、楽曲のクオリティ優先の為に自分の得意を封じたりするのだ
ボヘミアン・ラプソディを繰り返し見ている。
そして僕はパンクロックに教わったDIYの精神・・・実験精神・・・そうそれはクイーンから教わったことも多いなあって思う。
とにかく自分でやってみる。
無いものは自分で作る・・・
こんな写真がある。
鉄道写真家の中井精也さんの写真だ。
ソニーの最新式のフルサイズミラーレスの写真である。
勿論、そんな高級なカメラは買えないから・・・僕はジャンクで撮る。
僕にはジャンクで十分だ。
僕は今でも化学と学習の付録についてた日光写真のイメージをトレースしている。
DIY精神だ。
それはどんな表現でも一緒・・・
ただし、僕にしかできない表現を常に追い求めている。
否定するだけじゃダメなんだ。
自分なりのサムシング・ニューがなくちゃ！！
それは譲れない。
じゃなきゃパンクスだってバンド演奏なんていう表現なんかしてない。
そういえばクイーンにちょっと変わった曲がある。
ロシア風のメロディは結構あるし・・・ラーガロックというインド風のロックもある。
ところがイスラム風のロックっていうのはボウイのヤサシンとクイーンのムスターファだけじゃなかろうか？
この曲はクイーンなりのパンクロックじゃないか？って思うのだ。
蛇足ながらフレディはイスラム教徒に追われたパールーシーだ。
クィーンにはヘビーメタル、ダンスミュージック、ロカビリー、ジャズ、ブルース、シャンソン、クラシック、パンク、ファンク・・・それこそなんでもある。
そしてボヘミアン・ラプソディのようにクィーンならではの曲もある。
クィーンが当時人種差別政策をしていた南アフリカのサンシティでコンサートをやった時に大バッシングされた事がある。
実際にクィーンは現地の黒人ミュージシャン達とセッションしたし、白人達の前でも演奏した。
つまりサンシティには黒人のファンも白人のクィーンファンもいる。
そこでのコンサートのボイコットこそ、フレディから言わせれば差別なのだ！
ゲイであり、少数民俗のパールーシーのフレディはパンクロックさえ真剣に歌ったのだ。
僕はクィーンほど様々な音楽や文化を差別せず、リスペクトしてオマージュを捧げたバンドは他にないんじゃないか？と思う。
映画ボヘミアン・ラプソディのラスト21分のライブエイドのステージを見るとよくわかる。
10
4
ログインしてコメントを確認・投稿する