7月になった。
いつのまに、といふ感ひとしを、である。
こないだ年が明けて、よし、と思ったやうな気もす。
思へばこんなかんぢばかりの近年である。
ナニかが進展してゐるのだらうか?の思ひは強い。
進展してゐるとすれば、そは「老い」だけではないのか?、とも思ふ。
我ばかりではない。
周りを見ても、みなそんなかんぢだ。
中には「バリバリだぜ」のやうな事を声高に語る同輩もゐることはゐるが、その声高さが、かえって寒々しく響くのも否めぬ。
ひとつ下のバンド仲間の女性が、「この歳になってあの曲が歌いたい、この曲も演りたい、なんてワクワクする毎日が来るなんて」と語ってゐたのをみて、なんと素晴らしい女性だらう、と思った。
人の壮年期は、すべからくさうあるべきだ、と思ふ。
好きなことを仕事にして、羨ましがられる。
そは確かにさうだ。
多くの人が、やりたくもない仕事をやり、そのストレスを抱え、その発散のために趣味や享楽に勤しむ。さういふことから比ぶれば、ワシらは確かに恵まれてゐる。
そのために犠牲にしてきたことは多い、かと云ふとさうでもない。
ただ、それを「選んだ」といふだけのことだ。
人より才能があった、とも思はぬ。
なかった、とも思はぬが・・・。
好きなだけで続けてゆくには、つらい仕事であるのも確かではある。
だが、結局自分は、好きなことをづっと続けてきて、その続けてゐる自分自身も含めて、音楽を演る、といふ事を、心の底から愛してゐる、といふのは間違いなささうだ。
若い者に、こんな事を云ふものもゐる。
「30歳までに芽が出んかったら、辞めやうと思ってます」
いやぁ、30を待つまでもない。
今すぐ辞めればいい。
幸あれ。
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