「チューリップ」にハマってゐる。
花のチューリップではない。
鶏肉のチューリップだ。
手羽を細工して身を重ね、手で持って食べやすくしたアレ。
ツイぞ見かけなくなった料理だが、ひと昔前、鶏肉のナニか、と云へばこれか「鶏足=骨つきもも肉」だったやうに思ふ。
カラアゲが席巻し始めたのは、ほかほか弁当系の台頭からと察する。
ムネだのモモだのササミだの、さういふ言葉もあまり浸透してなかったやうに思ふ。
でチューリップだ。
片手でパクっと喰へる割に・・てゆーかそのやうにする為に、下拵えにたいへん手間のかかる料理である。云はば骨つきのカラアゲなので、調理そのものは単純なのだが。
この「手間」がやはり、時代から置いて行かれた原因かと。
ワシは料理好きだが、チューリップを作れ、と云はれたら、「嫌だ」と云ふだらう。
律儀に今も置いてある店(餃子の王将など)はあり、さういふ店は嬉しい。
骨つきの唐揚げに過ぎぬそれは、手間のわりに安っぽく、しかししみぢみ美味しい。
これとビールがあらば、他は要らぬ。
嗚呼チューリップ
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