昨日、若いミュージシャンと話をしてゐて、
「シュウさんは得意なジャンルってなんなんですか?」
と問はれた。
フォークだと答えたら驚いてゐた。
賢しらな顔してジャズやらの現場に顔だしてゐるが、ワシはこの世代のベース弾きにしては大変珍しいことに「フュージョン」をまったく知らない。
歌を歌う時のかんぢからよく云はれるが、ぢつはソウル系もAOR系も、後追いである。
チック・コリアの「スペイン」といふ曲がある。
フュージョン/ジャズロックの代表的な曲、と云はれ、ちょいと腕の立つ人らが軽くセッション、といふとかなりの確率で出てくる曲だ。
良い曲である。
もちろんワシも演る。
演った回数で云ふと、やはりかなりの数になると思ふ。
ある日 友達のギタリストが弾いてゐたのを、「カッコえぇ曲やな」と思ひ、譜面を書いてもらって、それを弾いたのが始まり。
他人が演ってるのを聴いたのもだいぶあとだ。
いちばん馴染みがあったのはアル・ジャロゥの演ってた歌の入ったヴァージョン。
本家のチック・コリア(リターン・トゥ・フォーエヴァー)を聴いたのは、なんとツイこないだなのであった。
こないだ街を散歩中、中古市があり、そこで「リターン・トゥ・フォーエバー・ベスト盤」てのが¥500で売られてゐて、そこにスペインのオリジナル・ヴァージョンが入ってゐた。
「ははぁ、こんなかんぢなのか」
と思った52歳の秋、なのであった。
ちなみにこの曲の最大の特徴である、テーマのユニゾン。
あれがピタと合った時の快感は素晴らしい。あの部分があるからこそ、この曲は長く愛され、演奏されて来たのだ、と云ってもよからう。
しかしまぁ、よぅもこげなフレーズをウッドベースで弾くものよ、と思はしむるスタクラは、この時まだ二十歳そこそこだった、といふのが・・・・。
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