壱時期「アンプラグド」といふ、ちゃんちゃらオカシイ企画が流行った。
アンプラグド=繋がない
といふ触れ込みで、まぁちょいオサレなラウンジを模したやうな場所で、しかしまぁばんばんに電気に繋いで「アクースティックふうの」ライヴを演る、と云ふ企画。
日頃がちゃがちゃうるさいロック系がそれをやる、といふのでも話題になったし、しかし『これの何処がアンプラグドなのか』といふ突っ込みどころ満載の、まぁ今にして思へば完全な「話題先行の企画もの」ではあった。
これが流行った頃『プラグド!』といふアルバムを出したスプリングスティーンには「流石だ」と思った。
世のさういふ風潮に対しては大抵ファックサインを出してしまふワシだが、これにも御他聞に漏れず盛大にタンを吐きかけた憶えがある。
「リアル・アンプラグド・ライヴ」といふ企画を打ち立て、『真に生声、生音で勝負せしもの集えあれ』と募集したが、同じ志の者は現れず、完全な企画倒れになった事もある。
何を書こうとしたんだっけ?
あ、さうだ。
このご時世、どれほどアクースティック云々と語ったところで、所詮「繋ぐ」のだ電気に。
生音に近い音が拾えるピックアップ、鳴りを忠実に再生するピエゾ、そんなものが出て来ても、所詮はスピーカーから出る音、を聴くのだ。
ならば、電気ベース使ってジャズを演らうが、シンセでクラシック弾かうが、文句を云はれるスジアイはない。
「色物」などと呼ばれる覚えもない。
いや、『電池の入ってるベース使ってちゃダメだよ』などといまだに云ふ人もゐてね。
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