mixiユーザー(id:731663)

2015年08月26日22:24

432 view

エクソフォニーという概念

多和田葉子の「エクソフォニー」岩波現代文庫 2012年(もとは2003年)を読んだ。「母語の外へ出る旅」という副題がついている。exophony という単語は普通の辞書にはまだ載っていないが、作家が自国語以外の言語で書くことを意味する。著者はドイツ在住、ドイツ語でも日本語でも小説を書いていて、評価が高い。この本では著者がいろんな国へ行って、そこで言葉について考えたこと、感じたことを書いている。
 たとえば、セネガルのダカールへ行ったときの話で、セネガルでは読み書きを習うということはフランス語を習うという意味になるので、筆者が「フランス語はできない」というと変な顔をされた。数年前からウォロフ語で書かれた小説が出版され、着実に読者を伸ばしている。英語で小説を書く人さえ現れた。セネガルでは英語など単にヨーロッパの一つの言語に過ぎず、国際語はフランス語だ。
 その他、非常に興味深い事実に満ちている。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する