喰えない時代にありとあらゆるバイトをしたが、正規雇用の会社員だった時代もある。
大学を出たばかりの、血気盛ん、と云ふか、完全に勘違い系の若造だった。
悪いことにその熱血が、仕事よりもおかしな精神論に費やされており、会社では上司や役員とぶつかってばかりだった。
当時は「仕事にすべてを捧げなさい」と云はむばかりの社風(社会風潮)に、どーしても納得はできなんだ。
いづれはこんなところをブチ辞め、華々しくメヂャーデヴーするのだ、と信じてやまなかった。
あのバブル崩壊期を乗り越え、規模縮小しながら現在も会社は存続してゐて、しかもワシがゐた当時の社員も半分は残っておられる。
さういふ処を見ても、かなり優良な企業だったのだ、と思ふ。
ただただ、自分の「若さ」を詫びたい気持ちでいっぱいである。
このごろ、フと「会社員のまま現在まで生きた自分」を夢想する。
接待や営業は上手くなってゐただらうか?。音楽を趣味として日曜にはバンド活動やらをし、他の余暇にはジムかなんか行って・・・・、とか。
まぁ、今さら詮無い夢想だ。
あの会社を辞めたとき、『帰り道はもぅない』と自分で思ったではないか。
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