1980年代に黒人差別により無実の男が死刑になりかけ、それを救った同じ黒人弁護士の実話を映画化したもの。映画は最終的にはスクリーンで繰り広げられるドラマを他人事と思わず、自分のことみたいに憑依できるかどうかが、作品としての質を決めると思って
己の芸術、美意識を武器に権力者と渡り歩いた利休という存在に昔から興味があり、ずっとまつわる本を読んできた。この小説には、利休の思想がわかりやすく描かれている。たとえば、高山右近に「茶人とは仮の姿、尊師は神になろうとしているのでは」という問い
三池崇監督の新作は、生首は転がるわ、人はバンバン死ぬわ、ベッキーは復讐の鬼と化すわ、豪華キャストはすべてダークだわ、タランティーノも真っ青のやりたい放題ムービーです。僕の好みの映画とは違うけど、どう撮れば一番刺激的な映像になるかを一番に考え
妹が二人いたせいか、僕は中学ぐらいから少女漫画が大好きでした。我らの学校はなかなかやんちゃな方が多かったので、そんなこと口が裂けても言えなかったけど(笑)。とくにお気に入りは、陸奥A子、田淵由美子、くらもちふさこさんでした。実は僕のファッショ
もう泣いた、泣いた、泣いた。昔から僕は、大人をどこか小バカにした少年少女が主役の映画が大好きで(たとえば、「小さな恋のメロディ」「リトルロマンス」など)、まさしくこのインド映画は、僕のどストライク。少しぽっちゃりした、歌手を夢見る少女がいろ
たった2年前の事件を、映画化するなんてさすがアメリカ。その勇気と決断に拍手というのが一番大きな感想ではあるんですが、キャスターのモデルになっている人たちを僕がよく知らないため、情報を整理するのが結構大変でした。字幕も多いこともあり、自分の頭
水没して他界された8氏を謹んで見送り、11さんをお迎えしました。もっとカジュアルな方にお願いしたかったのですがショップに11さんしかいない、しかも128GBという器の大きな人ということで、なかなか高価なギャラをお支払いしました。こんなのが簡単
ここ10年読んだ本の中で一番面白かったのが、佐藤正午の「鳩の撃退法 上下」と、直木賞を受賞した「月の満ち欠け」なんですが、この作品はそれに匹敵する。どんな話かというと……不倫相手と逃避行の後、宝くじが高額当選。巻き込まれ流され続ける女が出会
全編ワンカット長回しが話題になっているが、確かにずっと主人公の視点が途切れることなく続くので、緊張感と前線にいるというリアリティがぐいぐいと迫ってくる。戦争映画にしてはアクションも少ないし二人の兵士の会話場面も多いのでダレるかと思いきや、こ
中上健次をどう扱うのか、テキストを見たいというメールをたくさんもらったので、少し長いけど、公開します。こうして毎回オリジナルのテキストを作って受講生にお渡ししてます。興味のある方はどうぞご覧ください。 ライター講座 テキスト 中上健次
騎手やホースマンのちょっと泣ける話やいい物語を集めたエッセイ。こんなエピソードを交えた競馬予想があってもいいのに。まさしく僕の仕事、物語プランナー的な予想。例えば、3年前の有馬記念で〇〇騎手は友人である〇〇調教師を失くした。そして今、再び彼
博多と小倉の料亭グループによる寄席。どちらも完売で、プロデューサー冥利に尽きる二日間。今回のゲストは、古今亭菊之丞師演目は、一席目が長短。気の長い男が大阪弁という、初めて聞いた工夫も合わせて楽しい。二席目はなんと、芝浜。お客さんの反応もすこ
日曜美術館の特集を見て、再び彼の写真に惹きつけられる。本棚にあったと勉強部屋に行くとあれ、無い。誰かにあげたのか、失くしたのか、よくこういうことはあるので(特に写真集に多い)、再びライターの写真集をポチッ。彼の写真を見ると、真似したくなるな
全文をネットで無料公開して話題になった作品が文庫化されたので買って読了。FBのやりとりだけで進行するいわゆる書簡体小説なので、読みやすく、ボリュームも150Pと薄いので、本好きじゃない人にもとっつきやすい。感想は、うーん、読んでる途中は夢中に
いわゆる詐欺師による騙しあい映画。1本目は、中井貴一と佐々木蔵之介コンビが軽やかなタッチで魅せるコメディーシリーズ2作目「嘘八百 京町ロワイヤル」肩の凝らないライトコメディーって日本には少ないので、いいんじゃないのーって感じで楽しませてもら
今日の中村美術館で観た絵に魅かれ、森田茂について調べる。101歳まで生きたことを知り、驚く。動画を見つけたので観ると、無数の絵に囲まれたアトリエで絵具を塗り込むように、激しい筆遣いでキャンバスに向かう。無心よりも一心。森田の言葉に胸が熱くな
清張読むのは久しぶり。男を手玉に取ってのし上がろうとする女流画家二人の物語。ここまであからさまな上昇志向は昭和ならでは。その人間臭さが懐かしく、上質な懐メロを聞いているようで、物語世界に没頭しました。この感じをもう少し味わいたく、古本屋へ(
2本、鑑賞。1本目は、「存在のない子供たち」貧しさゆえにまともな愛情を受けることが出来なかった12歳の少年が、親を「僕を生んだ罪」で訴えるという話。中東の貧民窟、少年のすさじいまでの哀しさに、胸が痛くてたまりませんでした。次いでこちらは希望
最近凝っている無煙ロースターで肉や魚を焼き、ひとり酒。そんなとき、ふと落語の「権兵衛たぬき」を思い出す。山里の村はずれに住む権兵衛さん。囲炉裏端で寝酒を楽しんでいたら、たぬきが転がり込む。一応縛り付けたが、村人が「狸汁」にして食おうというの