『神の子』@本多劇場やはり赤堀さんはこれくらいの劇場が向いてる。でかい箱で、ちまちました人生は響きづらい。ガードマンでその日をしのぐ男たちと、怪しい正しさを振りまくボランティアたち。誰も正しくないし、かといって間違ってるともいいづらい。ただ
『キレイ』@シアターコクーン四演。19年前の初演からすべて見ている。松尾さんがコクーン芸術監督に就任して、もはや看板舞台になったかも。マジシャンの存在感が、一番強くなったかも。阿部さんの上手さがよく分かった。生田さんと麻生さんのケガレ、張り
『月の獣』@紀伊国屋ホールトルコ人の迫害からアメリカに逃げたアルメニア人の男。そして、妻として迎えることで同胞の少女を迎えるが。。。家族を奪われた記憶が、家族への歪んだ理想を作り、救われたはずの少女は、別の束縛と強制を強いられる。前半のモラ
『香港パラダイス』@神保町30年近く前、バブル時代のノスタルジー。香港もまだイギリスだった時代。九龍城も、竹の足場も懐かしい。斉藤由貴が、エロい。小林薫は、変わらない。我王銀次が、サンド富澤。ストーリーの辻褄とか、そういうものを全部すっ飛ばし
『種をまく人』@池袋午後サボって、映画。少女の過失と、小さな嘘が見えていなかった家族ひとりひとりの姿を浮き彫りにして、形を変えてしまう。おじちゃんが仏すぎて怖い。でも、それが不幸を大きくしたとも言えて。本当にいい人は、それを貫くとちょっとや
『風博士』@世田谷パブリックシアターシスカンパニーの日本文学シアターシリーズ。終戦まぎわの大陸で、慰安所を管理している風さん。娼婦と流れ着いた少女、そして軍人たちの音楽劇。芸達者たちが、軽妙なリズムで進めていく中で、戦争に巻き込まれ、変わっ
『悲しき天使』@浅草九劇新地の娼婦と、それを取り巻く人たちの物語。主役の山崎真美、身長も高くて、スタイルでは他を圧倒していたのだけど、いかんせんそもそも群像劇なのか、恋愛劇なのか、とか、突然ミュージカル調やコメディが入ってきたりとか、設定や
『Q:A Night At The Kabuki』東京芸術劇場プレイハウスややこしい転売対策で、チケット争奪戦がいっそう熾烈になってしまった野田マップ。ちょっとやりすぎ感が否めない。ロミジュリ×源平×クイーン。割とメジャーな物語を組み合わせていて、野田さんにして
『私たちは何も知らない』@シアターウェスト青鞜と、そこに関わる女性たちの話。フェミニズム的なめんどくさい話ではなく、小娘たちの青臭い思い込みや、自己主張や自己満足、エゴのぶつかり合いとして現代的な衣装や、ラップに乗せた文章などの演出で、かな
『ツマガリク〜ン』@星のホール小松台東の宮崎弁芝居。田舎の電材屋。電気工事の現場のさらに下請けのような、あまり希望も持てないような現実の中で、ちいさな社会だけど複雑な人間関係。逃げ出したくなるようなことが起きても、それでも続いていく日常と、
『わたしは光をにぎっている』@新宿定時退社の水曜サービスデー。オフビートな女の子の上京物語。変わっていく東京の街と、変わっていく人生のリンク。最初は松本さんのペースだけが周りと浮きすぎていて若干イライラ。ひよっこキャラからユーモラスさを抜い
『掬う』@シアタートラム口字ック×佐津川愛美。家族、自意識、劣等感、などなど。ちょっと前の本谷芝居を観ているような。それに何だか情報量がトゥーマッチ。うざい女子高生、必要だったのかな。振り切って感情をむき出す系の舞台が多くなってきてる気がす
『ターミネーター:ニューフェイト』@新宿会社帰りに、バルト9の夕方割。キャメロンが復帰した、2の正当な続編という触れ込みの新作。サラ・コナーおばあちゃんと、T800おじいちゃんが、二人のギャルと大アクション。開始5分でT3とT4を作品ごとターミネー
『終わりのない』@世田谷パブリックシアター山田裕貴、奈緒、仲村トオルなどを迎えたイキウメ。なんとなく気味悪さがデフォルトなので、いつものイキウメらしいSF感の中に、山田君の「普通」が入り込むことの新鮮さ。並行世界を行き来する中で、自分の存在
『愛の小さな歴史』@新宿中年の古書店主と、その後妻になった若い女。静かな生活の中に現れた、店主の古い友人。3人のバランスが、あっという間に壊れていく。でも、死んだ妻を忘れることなく月命日にはお参りし、平気で愛してたと言ってしまうのが、弱くて
『組曲虐殺』@銀河劇場小林多喜二が拷問死に至るまで。思っていたよりコメディタッチ。多喜二の魅力があまり伝わらず、むしろ特高や家族、恋人たちも含めた、周りの人物のキャラクターに惹かれる。多喜二も含めて、思想に縛られることの悲しさと滑稽さが表現
『渦が森団地の眠れない子たち』@新国立劇場思ったよりもヘビーな印象。子供というフィルターで、残酷さや幼稚さ、容赦のない自己中心っぷりを表現していて、ある意味、いやミス感が。終わると見せかけての、ラストの虐待ネタのいやーな感じも、けっこうキツ
『アジアの女』@シアターコクーン久しぶりのコクーン。2週連続で長塚芝居を観てしまった。初演は、もっとコンパクトな新国立の小劇場。随分大きな箱になった分、少しディストピアの閉塞感や孤立感が薄まったような。石原さんと富田さん、狂気っぷりが似てい
『桜姫』@吉祥寺シアター阿佐スパ版の鶴屋南北。戦後間もない時期を舞台に、アングラ演劇を思わせる、バンド芝居。桜姫廓文章の粗筋自体も結構ややこしいけど、知らないと、さらにわけのわからない、まるで歌のように流れていくストーリー。藤間さん、もっと
『笑顔の砦』@KAAT大スタジオ何事もない日常の積み重ね。でも時が過ぎていくこと、歳を重ねていることに直面した時、またはふと気づいたときの、なんとも言えない寂しさや孤独感。家族というものと、老いというものの関係が2人の中年(初老?)の男や周りの
『愛と哀しみのシャーロック・ホームズ』@世田谷パブリックシアター三谷×ロンドンシリーズ(?)ベッジパードンやジキルとハイドと同じ雰囲気の、しっかり笑いながら、じんわりあたたかい舞台。シャーロックホームズの誕生秘話的な、三谷さんらしい解釈や仕
『私の恋人』@本多劇場あまちゃんつながり、渡辺えり主宰のオフィス3○○にて、のん再生計画。まるで夢のように、つながっているような細切れになったモザイクのような、時間も空間も越えた、思考の旅。正直、意識も何度か飛んだ。。。のん、ハンサムな顔立
『火口のふたり』@新宿小悪魔に翻弄される男の話のようにはじまりつつ、いや実はダメ男と結構まともな女の子の、結婚までのひと時、青春の棚卸し的なエピソードとして綺麗に終わるかと思ったら、まさかの延長戦と、まったく棚卸されていないふたりの話。観終
『けむりの軍団』@赤坂ACTシアターいのうえ歌舞伎。ひさしぶりにわかりやすくてカタルシスもあって、小気味よい時代劇、といった、まさに歌舞伎もの。最初の配給会社マークや字幕などの映像演出も、映画を意識していたようだったし。最近は、めずらしい舞台
『フローズン・ビーチ』@シアタークリエケラ戯曲を別の演出家が演出する、KERACROSS第一弾。1987・1995・2003年を舞台にした、女5人の不条理劇?やっぱり、KERA芝居はちょっと苦手。鈴木杏のテンションが、他のキャストと少しずれていて、しかもネジのゆるん
『奇子』@紀伊国屋ホール手塚漫画の中では移植の作品を原作に。血縁、近親相姦、女性性、殺人をイメージさせる、赤い衣装を着た人物たちに回想型で語られる、一族の物語。でも、あまり時代性を感じられなかったなあ。原作は、戦前の村や家の制度とか、高度成
『ビビを見た!』@KAAT大スタジオ原作を買ったのに、何だか読みそびれたまま観劇。ストーリーは、思いのほかあっさりした風味。布一枚で巨人を表現したのが新鮮だった。見えないのにビビに執着をするワカオと、見えなくなるから別れを選ぶホタル。結構みんな
『いちごの唄』@新宿二世俳優のダブル主演。トラウマを引きずる若い二人の、偶然の再会と再生、というストーリー。峯田のキャラを古館君がしている感じにどうしても馴染めなかった。キャストは豪華だし、結構いい話なのだけど。石橋さんは、陰のある顔が似合
『命、ギガ長ス』@ザ・スズナリ松尾スズキの新展開。客席に小林薫さん、猿時さん、高田聖子さん、などなど。。業界内の仲間たちが結構注目してるんだろうなあとも。とは言え、いつものナンセンスな会話劇で芸達者なパートナーと繰り広げる、結構いつもの松尾
『ビューティフルワールド』@シアターイーストモダンスイマーズ20周年作品。引きこもり中年と、叔母にあたる主婦の不倫から始まる小さな世界の崩壊。いろんな伏線が一気に爆発するラスト20分の、怒涛の展開で爆笑。それでも世界は美しい、と言えるのか。いや