清水潔「殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件」読了。いや〜、スゴイ!ノンフィクションである。足利事件の菅家さんが冤罪で最近無罪になったことはニュースで知っていた。しかし、その裏に、栃木と群馬の県境、非常に狭い範囲で5件の
長江俊和「掲載禁止」読了。短編集で、どれも「切れ味の良いどんでん返し」を狙って、正直、作者の意がゴールに届いていない感じがした。「原罪SHOW」は、人が死ぬところを見られるバスツアーを取材するテレビウーマン、表題作も煙草のポイ捨て、ながらスマホ
マイクル・コナリー「ナイトホークス」上下読了。ハリー・ボッシュシリーズの第1巻。かつて、犯人を射殺したことで左遷されたロス市警の刑事、ハリーは、ベトナムで戦友だったメドーズの麻薬過剰摂取死体を見て、不自然なものを感じて捜査に乗り出す。FBI
下村敦史「緑の窓口 樹木トラブル解決します」読了。市役所の職員、天野は、気が弱い性格のせいか、生活保護課の仕事に疲れ果て、先輩の岩浪とともに環境対策課の樹木の相談を受ける「緑の窓口」に異動になる。庭の杉の木を巡って、嫁姑のいさかいを仲裁した
佐藤多佳子「しゃべれども しゃべれども」読了。ミステリでも、サスペンスでも、ブンガクでもない、普通の小説。主人公は、今昔亭三つ葉という噺家。ひょうんなことから、いとこの良、OLの十河、小学生の村林の3人に「まんじゅうこわい」の話を教えることに
呉勝浩「道徳の時間」読了。第61回江戸川乱歩賞受賞作。主人公は、ビデオジャーナリストの伏見。妻の陶芸の先生の葬式へ行くシーンから始まる。彼は、時間をかけて撮影してきたドキュメンタリーに「失敗」して、失意の中にいる。そこへ、鳴川事件と呼ばれる
山本弘「世にも不思議な怪奇ドラマの世界」読了。 1950〜60年代にアメリカで作られたTVドラマ、世にも不思議な物語、ミステリー・ゾーンの解説本。実はどちらも見ていないのだが、読んでいてなかなか興味深かった。もちろん、見たいなとも思ったが、
柴田よしき「ねこ町駅前商店街日々便り」読了。柴山鉄道の根古万知線終点、根古万知駅のシャッター商店街を舞台に、そこに暮らす人々を描いた長編。商店街の再生物語でもあるが、長い分だけ、人の再生とかさまざまなテーマが詰め込まれていて、それが見事に良
黒木亮「国家とハイエナ」読了。第三世界の貧困国の債権を安く買い、高額で買い戻させる金融ファンド、ハイエナファンドの実態を描く国際経済小説。ちょっと調べると、ほぼ実話らしい。実在の人物も出てくるし、主要人物のユダヤ系ファンド、ジェイコブスには
新堂冬樹「少女A」読了。女優を夢見て東京に出てきた少女が、AVのスカウトに引っ掛かり、望まぬままAV女優としてデビューしてしまう、というある意味、典型的なイメージのストーリーを描いている。主人公、小雪はスカウトの井出に騙されるが、惚れた弱み
黒川博之「離れ折紙」読了。骨董や絵画など美術に題材をとった連作短編集。といっても6つの物語の主人公はそれぞれ別。最初の「唐獅子硝子」はパート・ド・ヴェールという硝子の唐獅子を巡り、コンゲームを企む大学非常勤講師の澤井が、最後は泣きを見る。表
角田光代「対岸の彼女」読了。3歳になるあかりを連れて公園をめぐる主婦、小夜子は、うまく周囲に溶け込めない。それは高校時代からそうだった。夫ともうまくいっていない。働こうとして面接したのが、プラチナ・プラネットという旅行会社。女社長である葵は
辻村深月「家族シアター」読了。辻村さんの作品は2作目。以前読んだ「水底フェスタ」は自分にはいまひとつだった。しかし、今回は良い。家族の関係を描いた短編集だが、どれも温かいつながりがうまく描かれている。高校時代、真面目な姉に反発してチャラいグ
ジェフリー・ディーヴァー「コフィン・ダンサー」上下読了リンカーン・ライムシリーズ第二弾。今回も好調。武器商人ハンセンの証拠隠滅を目撃した3人の証人を、ハンセンに雇われた殺し屋、通称コフィン・ダンサーが狙う。証人は、弱小航空会社のエドとパーシ
大沢在昌「覆面作家」読了。大沢在昌と思しきミステリ作家が主人公の連作短編集。見知らぬ男から「話を聞いてほしい」と電話があり、いつの間にかその男がパーティ会場や行きつけのクラブにいる「幽霊」、大学時代からの友人が、女性から妊娠をかけたゲームに
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。。峰守ひろかず「こぐちさんと僕のビブリアファイト部活動日誌」読了。「ビブリア古書堂の事件手帖スピンオフ」という副題のついたライトノベル。主人公、前河響平と、幼馴染の卯城野(うしろ