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日記一覧

冲方丁「もらい泣き」
2021年02月27日22:10

冲方丁「もらい泣き」読了。泣ける話。著者自身の、著者の周りの人々から、泣ける話を聞いて、それを掌編にした作品集。初っ端「金庫と花丸」が私には一番泣けた。それ以外も、もちろんいい話が多いのだが、中にはそうでもない(私がそう思った)のもある。

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アミの会(仮)「嘘と約束」読了。女性エンタメ作家の集まり「アミの会(仮)」のアンソロジー。松村比呂美さん「自転車坂」は、あんまり好みではないが、「良いお話」。松尾由美さん「パスタ君」も「良い話」だけど、ミステリ味がイイ。近藤史恵さん「ホテル

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中山七里「帝都地下迷宮」読了。市役所で生活保護を担当する小日向は、鉄オタ、中でも廃駅オタだった。職場で、上司からストレスを受け、どうにも我慢できなくなり、秋葉原の地下に眠る銀座線萬世橋駅へ侵入し、その姿を堪能しようとする。が、そこで女子校生

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石川智健「本と踊れば恋をする」読了。母親と暮らす高校生、十屋龍之介は、少ない小遣いをセドリで儲けて補っている。たまたま入った古本屋、帰真堂に入ってしまい、店主の朝香裕也、ビブリオディック(本の探偵)深町吟子と知り合う。朝香は、サインや書簡の

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東野圭吾「希望の糸」
2021年02月17日21:29

東野圭吾「希望の糸」読了。汐見夫婦は、新潟地震で二人の子供を失う。絶望に陥るが、もう一度、子供を望み、不妊治療を行い、とうとう新しい子に恵まれるが。いっぽう、カフェ経営の女性、花塚弥生が殺される。警視庁捜査一課と所轄で捜査本部を設置、加賀恭

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津原泰水「蘆屋家の崩壊」読了。「おれ」こと猿渡と怪奇小説家、伯爵が出会う怪談の短編集。あくまで怪談なので、論理的な謎や解決はない。非常に凝った文体と、それが醸し出す雰囲気が極上。それでいて、ところどころユーモアもあるので読みやすい。ちくま文

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貫井徳郎「女が死んでいる」読了。本格ミステリ短編集。表題作含め8作品が入っている。どれも本格推理。私が好きなのは「レッツゴー」。女子高生の主人公の一人称。しかも、ラストは前向き。そしてちゃんとトリックもある。貫井さん、短編も良いな。

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花田菜々子「出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと」読了。タイトルそのままのノンフィクション作品。著者は当時、ヴィレッジヴァンガードの店長で、離婚話で夫と別居していた。本屋の店長なので、本が好き。

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柚月裕子「暴虎の牙」
2021年02月10日20:55

柚月裕子「暴虎の牙」読了。広島を舞台にした「孤狼の血」三部作の完結編。「孤狼の血」の主人公、大神も、「狂犬の眼」の日岡も登場。主人公は、ヤクザの父に虐待され育った沖虎彦。彼はヤクザにはならず、己と幼馴染みの三島、重田(元)だけを頼み、欲と暴

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森谷明子「南風吹く」
2021年02月07日22:40

森谷明子「南風吹く」読了。「春や春」の姉妹編。同じ年の俳句甲子園大会を、愛媛県の廃校が決まっている「五木分校」の視点で描く。今回は、元バスケ部の小市航太が主人公で、全編彼の視点で語られるので、前作のような違和感は私にはなかった。今回も5人の

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A・J・カジンスキー「ラスト・グッドマン」上下 読了。著者は、デンマーク人アンナ・ロノウ・クラーロンとヤコブ・ヴァロンライヒという二人の合作ペンネーム。物語の最初は、デンマークはコペンハーゲン警察のニールス・ベンソンと、イタリアはヴェネチア警

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