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日記一覧

桐野夏生「奴隷小説」
2020年10月31日21:40

桐野夏生「奴隷小説」読了。奴隷をテーマにした短編小説集。短篇すぎて物足りない面はあるが、それでも「神様男」「泥」「REAL」など、鋭い作品もある。テーマが重いのにすらすら読めるのは筆力があるのか、軽く書きすぎてるのか。ひとつだけ、作品と無関

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加納朋子「二百十番館にようこそ」読了。20代後半になって引きこもりニートの主人公が、両親に捨てられた。叔父の遺産という離れ小島の寮を相続したが、その代わり両親に縁を切られた。島には、老人(おじいちゃんとおばあちゃん)しかいない。主人公は、パソ

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大沢在昌「新宿鮫 Ⅺ 暗約領域」読了。シリーズ第11弾。前作で生安課長、桃井を失った鮫島だが、今作で新課長が登場。これが女のノンキャリアで、まっすぐでルール重視の性格。当然、鮫島とは対立する。同時に、相棒として元機動隊の矢崎が着任するが

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下村敦史「コープス・ハント」読了。連続女性殺人犯、浅沼聖悟の裁判で、死刑判決が出たが、それまで沈黙を守っていた浅沼が初めて口を開いた。8人殺害のうち、1件だけは自分ではない。水本優香殺害の真犯人のうち、ひとりを殺して「思い出の場所」に埋めた、

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佐藤青南「ツインソウル 行動心理捜査官・楯岡絵麻」読了。シリーズ第8弾。全4話収録。どれも安定のクオリティ。西野の恋人との関係も気になるが。マンネリ打破か、新キャラとして総務課の林田シオリが登場。意味ありげだが、本巻では目立つことがないので

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佐々木譲「降るがいい」
2020年10月15日20:49

佐々木譲「降るがいい」読了。これはミステリではない。いわゆる文芸作品だろう。短篇より短い作品が13も入っている。もともと自作朗読会用に書かれた作品4つあるという。あまり好きな方向ではないが、(特に、表題作や「反復」、「隠したこと」)後半に行く

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北村薫「雪月花 謎解き私小説」読了。もう圧倒される面白さ。博識さ。意外な事実。「よむ」「つき」「ゆめ」など6つの作品が入っている。どれも良いが、特に私が好きなのは「ことば」。昭和2年の「人形の家」に「何ひと」というセリフがあり、それが何なの

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櫛木理宇「僕とモナミ、春に会う」読了。不思議なペットショップで、人間の少女に見える猫を買い、モナミと名付けた赤草翼。養父母にもらわれ、家では普通だが、家の外や学校では、なかなかうまく言葉が出てこない。それは、翼の過去、本当の父親にまつわる記

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香納諒一「水平線がきらっきらっ」読了。さすらいのキャンパー探偵2作目。今回は、3作入っていて、すべて探偵、辰巳翔一への依頼で話が始まる。たまたま知り合った人との事件に巻き込まれるのは不自然だからだろうか?「深夜プラス1」は、元暴走族の仲間が

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小林早代子「くたばれ地下アイドル」読了。アイドルをテーマにした短編集。5つの作品が入っているが、どれもネガティブな印象。表題作では、主人公の女子高生の知り合いの男子高校生が地下アイドルをやっていることを知る。主人公自身は、自意識が強く、やた

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堂場瞬一「アナザーフェイス」読了。妻を失い、小学生の息子と二人暮らしの刑事、大友鉄のシリーズ。妻の死後、捜査一課から、刑事総務課へ異動し、定時で帰宅できていたが、銀行員の息子が誘拐された事件で、刑事部の幹部から特別に捜査に加わるように指示さ

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