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2026年09月24日00:01

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裕福な家に生まれ左翼的思考を身につけると、面倒な大人になるようです。ハスケル・ウェクスラーの息子マーク・ウェクスラーが監督したドキュメンタリー「マイ・シネマトグラファー」(2004)。

ハスケル・ウェクスラーは、「バージニア・ウルフなんかこわくない」(1966)と「ウディ・ガスリー/わが心のふるさと」(1976)でアカデミー撮影賞を取っている、ハリウッドを代表する撮影監督の一人です。ロン・シェルトン監督の「ブレイズ」(1989)でも候補になってたか。あのラストシーンのカメラワークは見事でした。

そして彼の監督作「アメリカを斬る」(1969)も忘れられません。「天国の日々」にも参加していたようですね。このドキュメンタリーは、ドキュメンタリー作家となった彼の息子マークが、父親のことを記録したいと考えて作ったようです。しかし、逆に取材するマークにカメラを向けたりして、なかなか素直に被写体にはならない。

さらにマークが、ドキュメンタリーの内容についてすべて委任するという書類にサインを求めたら、“そんなもの完成品を見てからしか署名しない”と言い放つ。ハスケルは青年時代に父親の会社の労組を応援し、会社にいろいろ負担をかけたそうな。そんな“左翼思考”が今なお健在で、パパ・ブッシュ大統領と懇意な息子マークには結構厳しい(笑)。

そしてハスケルについて取材をすると、マイケル・ダグラスやジェーン・フォンダというビッグ・ネームが登場します。ハスケル自身もそれを知っているからこそ、マークに対して細かい注文を出す。なんか面倒くさい親父さんですね。僕もこんな風に感じられているんなら、困ったものです。←そうではないと思うけど。

てなわけで、見ていて気分の良いドキュメンタリーではありません。だってハスケルは「ラティーノ」という作品でアメリカ批判をしてFBIから睨まれているのに、かたやマークは、大統領専用機エアフォース・ワンの取材を許されたりしているのですから。そして、その水と油は、そのまま父と子として“野合”していくのでした。

このドキュメンタリーを作っていたとき、ハスケル・ウェクスラーは80歳チョイ。僕もあと7か月で80代になります。しかし僕には、息子に対して喧嘩腰で立ち向かう必要はないからなぁ。左翼的発想というものについては、今なお基本的に正しいと信じていますが、だからと言って息子との仲を不和にする気はないから。

そういう意味で、ジェーン・フォンダがマークとハスケルの両方に親身なのが面白かったな。父親との終盤の不和が有名なジェーンですし。そしてハスケルが、コンラッド・ホールと仲が良く、一緒に会社をやっていたことなどは初耳でした。でも、キャサリン・ロスは出てきませんよ。

ハスケルが、いろいろな父と子に言及します。ロブ・ライナーとカール・ライナー、マイケル・ダグラスとカーク・ダグラスなどなど。そんな“父と子”談義が楽しめる人(映画ファン限定だけど)には、とても興味深いドキュメンタリーでしょう。さらに特典映像として、全部で1時間に及ぶインタビューが付録として付いてます。いずれ、じっくり見よう。
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