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2026年09月15日01:22

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テレビで見てたら“30分ルール”で見るのを止めてたかも。とりあえず全編見て納得しました。トレイシー・レイモン監督「私たちは、ちょうどいい。」(2025)。

原題は「Bob Trevino Likes It」です。主人公のリリー(バービー・フェレイラ)の父親がボブ・トレヴィノ(フレンチ・スチュワート)で、カッコつけて“ロバート”と呼ばせています。母親はリリーが4歳のとき家出しているので、親一人子一人で育ったらしい。その父親ロバートが、再婚活動のためデートするのですが、リリーの言動で失敗してしまう。

そのゴタゴタの責任を、一方的に娘リリーに押し付けるあたりを見て、僕は“あんさん、別れなはれ”と忠告したくなりました。なんでダメ親父の責任をかぶらなアカンねん?てね。そして逃げていくSNSつながりの“彼女”予定者たちも、なんともベタベタでいやらしく、ここでも“あんさん、別れなはれ”と忠告したくなりました。

そしてまた、ロバートもカスなら、娘のリリーも見ていて楽しくない“お嬢さん”なのでした。そういうダメ父娘も世の中にはいるだろうけど、そんな話を見たくないわいと僕は思ったしだい。とりあえず父親ロバートから“絶交”されたリリーは、フェイスブックで父親と同姓同名のボブ・トレヴィノ(ジョン・レグイサモ)を見つけて“友達”になります。

ジョン・レグイサモって、今まで日記に10回ぐらい書いてるけど、僕の印象では“イマイチ俳優”の典型でしかない。というか、その他大勢のどーでもえーような役しかやってない気がするのです。それが今回は、こまめに“イイネ”を付けてくる、なかなか良さげな人間なのでした。ということで原題の意味がようやく分かる。

なんでもこの物語は、製作・監督・脚本のトレイシー・レイモンが、実際にSNSで体験したことが基になっているそうですが、それが実話であろうがなかろうがどーでもえーことです。僕自身、ヤフーの掲示板でいろいろな方々と出会っていますから、SNSという媒体のもつ“力”はよく理解しているつもりです。

つまり、よく言う“SNSの危険性”という問題は、実際に会って自分で確認すればいいのですが、むやみに友達申請を受け付けていると、それこそどんな問題人が目の前に現れるかわかりません。それは現実社会での出会いでも、まったく同じ危険性をはらんでいるのですが、なかなかその危険性にまで考えを巡らす人は少ないらしい。

てなわけで僕は、90年代後半のヤフー掲示板から、ミクシィそしてFBを経て、とても素晴らしい交友関係を手に入れています。しかし、このロバートやリリーのように、あまりにも無防備で単純な行動とは無縁ですけどね。そういう意味で、僕はSNS友達に恵まれていたと言えるのでしょう。たまにヘンなのがいたけどね(笑)。

ということで、リリーはボブ・トレヴィノ(ジョン・レグイサモ)と仲良くなります。それも正しい友人として。ボブは愛妻のジーニー(レイチェル・ベイ・ジョーンズ、写真2)との間に息子がいたのですが、難病持ちで生まれて2年足らずで亡くなっています。ジーニーはそれ以後、スクラップ・アーティストになっている。

ということで、SNSには真面目な人が大半で、きちんとつきあえば良好な関係が持てる点は、通常の社会での出会いと同じです。そして今回のこの映画は、“血のつながりよりも赤の他人のほうが家族らしい”という、世の中の真理を展開してくれるのでした。そもそも結婚というものが、“身も知らずな関係”からスタートすることが多い世の中ですし。

つまりこの映画は僕にとって、ジョン・フォードの「捜索者」以来の“家族問題”を明確に描き出してくれたのでした。父親のロバートが娘のリリーに、今までかけた“経費”を一覧表にして“親の苦労”を押し付けるあたり、まさに“あんさん、別れなはれ”ですわ。こんな親とは絶縁していい。僕が太鼓判を押します。←何の意味もないけど。

そんなわがままな父親から逃げるように別れるとき、父親が“帰る車もないくせに”と言うと、リリーは“ウーバーを呼ぶわよ!”と返すのでした。その調子やで。何もハンマーで家電をぶち壊す(有料の鬱憤晴らしです)必要ないけど。←リリーは介護士で、介護しているダフニ(ローレン・“ロロ”・スペンサー、写真3)も本気でリリーのことを思ってます。

それにしても冒頭からのSNS関係の“クリシェ”にはがっかりでした。そして画面の色合いも、なんか安物の自主制作映画みたいな色調で、ケン・ローチがクリス・メンゲスと語らった「ブロンドの恋」の画質との差があまりにも大きすぎ。そこまでSNSを低く見ないでほしいものですわ。←わざとありきたりな画質にしたところが僕には嫌な作為。

そうは言うけれど、血縁関係よりも人間関係を重視するという、家族関係の基本的見直しをやんわり説くあたり、これは捨て置けない映画だと思います。ジョン・フォードは「捜索者」で、家を去るイーサンよりロッキング・チェアにこだわるモーゼ(ハンク・ウォーデン)を家族として迎え入れるのでした。あれから70年、ようやく“後継者”に会えたかも。
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