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2021年05月01日05:40

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風林火山伝 第36話  赤い狼煙

森蘭丸の上げた赤い狼煙は空高く舞い上がり、犬山城に陣取る羽柴秀吉はその赤い狼煙が上がっているのを察知した。あわせてすでに岐阜城のそびえる金華山が燃えていることから、岐阜城にいる織田信長の危機を悟っていた。しかしながら、秀吉は小牧山城はすでに武田信繁により落とされており、信繁が犬山城を攻めてくるのに備え、蜂須賀小六が守る
犬山城の援護で精一杯であった。

しかし、秀吉は「この赤い狼煙は上様の救援で、上様のお命が危ない。ここはなんとしても、上様のお命を救わねば」と言うと、竹中半兵衛は「今、動けば、小牧城に陣取る武田信繁が今にも犬山城に攻めかかって参ります。ここはいっそのこと犬山城を見捨て、武田軍に明け渡したほうが得策でございます。なにより信長様の命が最優先でございます。」と言い、「あわせて、犬山城を明け渡すと見せかけて、武田信繁を討取るのでございます。」と秀吉に助言した。

それに対して、秀吉は「信繁軍の中には武藤喜平衛というすぐれた武将がいる。そうやすやすと武田信繁は策に乘るまい。ここは、小六には申し訳ないが、約3千の兵で犬山城を
守ってもらうしか手がない。」と答えた。

一方、小牧城に陣取る武田信繁本隊は、武田信玄より岐阜城が落ち織田信長が長良川上流に逃げたという知らせを受け、明智光秀とともに信長を討ちとるよう指示を受けていた。信玄の命を受けた信繁は小牧山城に原篤胤、生け捕りにした丹羽長秀ら兵2千を残し、約8千の兵を率い長良川上流へ向かった。そして、信繁は犬山城近くには羽柴秀吉が布陣していることを察知しており、秀吉軍の動きに注視していた。

明智光秀は鵜飼観光船から赤い狼煙が上がるのを見て、今にも犬山城近くに陣取る羽柴秀吉が援軍にくることを察知した。秀吉軍が来る前になんとしても織田信長を討ちとるため光秀は何人かの兵を長良川上流に進む鵜飼観光船に攻め込ませたのだった。

そして、明智軍の兵士は鵜飼観光船に乗り込んだが、そこには織田信長はおらず、森蘭丸並びにその家臣らが自害して果てた無残な風景であった。

光秀は、鵜飼観光船からもどってきた兵士より、この船はおとりであり、信長の身代わりとして森蘭丸が乗っており、この船には信長はいないとの知らせを受けたのであった。
知らせを受けた光秀は「信長にしてやられた。おそらく信長は我々の不意を突き、長良川下流に逃げたに違いない。」と言い、慌てて、兵を長良川下流へ向かわせたとたん、東の方から秀吉軍が攻めよせてきたのだった。明智軍は約5千に対して、秀吉軍は約8千と数の上では秀吉軍が有利であった。

                                    つづく






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