一か月前の糖尿検診でh1cが7.9に跳ね上がったので、本日は午前中に内臓のエコー検査、午後に糖尿検診を命じられ病院と我が家を２往復。エコーの結果として「１�舛�らいしか体重は増えてませんが内臓脂肪が付いてます。脂肪肝です。インスリンの量は出ているけれど、脂肪がインスリンの働きを阻害しています」。一か月薬量を増やされたので、本日のh1cは7.2と下がったのに、もう２か月同じ薬を飲むよう指示される。ほぼ一年出かけることがほぼゼロとなったので、毎日一時間歩いていても運動不足なのだろう。以前は週一回以上詩の集まりに行きそれなりの運動になっていたし、行けば必ず飲み、ほとんど食べないが、現在は家で毎日しっかり３食食べているので、それに見合った燃焼が求められるということだろう。人生、不摂生も大事だよね。んなことは心配するカミさんには言えず、体操やろうか、と前向きに一致する。
そこへ郵便物が届き、その中に池井昌樹さんの詩集『古い家』があった。私の好きな詩「すきだよ」が載っているかと目次をみたら、しっかりあった。すぐ読んで感想を書こうかと思ったが、ふと数日前に草野信子さんの詩集『持ちもの』が来たのを思い出した。ちょうど壺井繁治賞の候補詩集を朝から晩まで読んでいるところ（コロナのため事務所に読みに行けないので、選考委員に郵送する方式である）だったがそれを一時停止して草野詩集に読みふける。予想にたがわずいい詩集であった。しかし候補詩集を読むため感想書きは後延ばしにしていた。栄養を摂っておきながら、それを消費しないパターンだと詩肪肝になるよなぁと思い、池井詩集には「じゅんばんじゅんばん」と言い聞かせて草野詩集の感想を書く。よい詩集の交通整理などめったにない贅沢である。
草野詩集からタイトル作品を。
持ちもの
草野信子
とるものもとりあえず
子ヤギを運ぶ麻袋に 赤ん坊を包んで
ただそれだけを胸に抱いてきた
テントの三つ目の夜 眠らない子の耳に
草摘みのうた 歌い
砂の降るおはなしを ささやいていると
おさないいのちのほかは
何もかも残してきた故郷から
ことば だけは
持ってくることができたのだ と気づく
荷物検査所でも まさぐられなかった
わたしの持ち物
のばした脚の指さきが
ひんやりとした皿のふちに触れる
せまいテントに
幾千万のことばは
ちいさなひとのすがたで横たわっている
深く 果てしなく 生あたたかい容れもの
必ず 生きのびよう と思う
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