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2019年10月06日09:26

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言葉で気持が通じ合う楽しさ、その喜びが体感できる再見でした。ベン・リューイン監督「500ページの夢の束」(2017)。

僕は、2017年11月3日にAFMの試写で見ました。imdbの公開日一覧によると10月27日にオースティンの映画祭で上映されています。それに次ぐ早さだったらしい。公開は2018年1月ですが、そもそも撮影は2016年の1月のようです。映画って、何年もかかって公開にいたるものですね。

監督のベン・リューインは、ヘレン・ハント主演の「セッションズ」(2012、写真3)で注目していた監督さんです。スパルタ教育のドラマーいじめ映画とは違いますよ。多くの人は忘れているでしょうが、「暗闇から手をのばせ」の前に公開された障碍者との性を取りあげた作品です。物事を見つめる視線の確かさが、この「500ページの夢の束」でも光っています。

見始めて僕は、もしかして字幕入りで見るのは初めてか?と感じました。アメリカで見たとき、とても気持が入り込んでいたので日本で公開されたときに、“もう見た映画だから”とパスしていた気がします。だから2017年のベストテンから外していたのに、2018年のベストテンに入れ忘れてしまった。

トニ・コレットがスコッティーという役名ですが、耳で聞いただけの僕はスカリーだと思っていたのでした。で、英語の先生によると、「宇宙大作戦」以来のシリーズにスコットという役名があるそうな。そういうほのめかしは随所にあるようですが、それに気を取られて本編を楽しめないようなつくりではないところが、この映画のいいところです。

今回、原語のなかで僕か気に入ったのは2か所ですが、そのどちらもがimdbのクオート欄にありました。偶然の一致だけど楽しい。
1つは、スコッティーと息子サムの車内での会話です。

スコッティー=ウェンディはロサンゼルスへ行ってシナリオコンテストに参加する気なのよ。
サム=そんなにいいの?
スコッティー=何が?
サム=脚本さ。
スコッティー=まだ数ページしか読んでないの。わからないし。
サム=なにがわからないの?
スコッティー=主人公は「スター・ウォーズ」のヒーローらしいけど、カークって何者よ?(Okay, so, I know he's the hero of Star Wars, but who exactly is this Kirk person?)
サム=頼むよ。そんな調子なら、いっそ今すぐ自動車をぶつけて二人とも死んでしまおう!(Please, crash this car right now because we both deserve to die!)

それとパットン・オズワルド扮する警官が別れ際にウェンディに言うセリフです。
Officer Frank: Qapla', Wendy!

Qapla'とは、クリンゴン語で“成功”を意味する単語で、この場合はグッドラックという感じだそうです。もちろん英会話の最後に全員で、先生に“Qapla'”と言って送り出しました。

ウェンディは自閉症というかアスペルガー症候群らしいのですが、そういう人は他人と触れることを嫌うらしい。そこでスコッティーは、特別な笛で決まったメロディーを吹いて存在を知らせ、ハグのかわりに自身の手を輪にして前に突き出し、ハグしてるよと伝えていました。

先日「リズと青い鳥」で、“大好きハグ”に対する逡巡を目の当たりにしたすぐ後なので、大好きハグをされる側にアスペルガーの人がいたらどう感じるんだろうなんて思ってしまいます。ま、「リズと青い鳥」の場合は、女子高生たちの“照れ”と“気まぐれ”という気持の波だと考えるのが自然なのですけど。
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