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2024年05月17日04:06

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この前後編放送は、どうやらノーカットのようです。NHKBS世界のドキュメンタリー「“原爆の父” オッペンハイマー 前後編」(2023)。

たしか今月14日と15日の夜にNHK-BSで2回に分けて放送しました。←日付を確認しようと思ったらNHKのページには放送日の記載がなく、“再放送の予定はありません”としか書いていない。とりあえずimdbを原題で検索すると87分とありました、NHKでの2回分を1本にまとめ、重複するタイトル部分をカットしたら87分半くらいです。つまり、ノーカットと考えていいでしょう。

アメリカではNBCが放送したようで、クリストファー・ノータリン(Christopher Nobrain)監督が出演していますし、放送日がアメリカ公開の2週前ですから“タイアップ企画”と考えていいでしょう。とりあえず僕は、劇映画「オッペンハイマー」を見る気がありませんから、どうでもいいことですけど、参考までに調べました。

そして僕が「シャドーメーカーズ」(1989)で知っているこの計画の軍側の中心人物グローブス将軍が、このドキュメンタリーには出てきます。でもポール・ニューマンのようにスマートではなく、チャビーなおっさんでしたけどね。その人物をノータリン監督が無視したようですが、このドキュメンタリーも対して大きくは扱いません。

このテレビ・ドキュメンタリー「“原爆の父” オッペンハイマー」の主旨は、オッペンハイマー博士が研究者として核爆発を実証したかったということと、成功して“戦争を終わられた”という“名誉”を得るどころか、“死神”というありがたくない称号を得たことでした。この相反する、科学的探究心と人類滅亡の可能性を具現化したこと、の対比です。

ところが“戦争を終わらせた”名誉はトルーマン大統領がもっていき、オッペンハイマーには“死神”しか残らなかったというハナシです。別に核分裂という現象をオッペンハイマーが考え出したわけではなく、物理反応なのですけどね。追随して原爆実験を行ったソ連の科学者たちはどう考えたのかな。こういうとき、追随者はいいとこ取りか。

そもそもこのドキュメンタリーは、映画「オッペンハイマー」のDVDとかブルーレイに特典映像として収録されているようです。とりあえずNHKが放送してくれたから、もう充分ですけど。僕は別に政治的に映画「オッペンハイマー」に反対しているわけではなく、その監督の諸作品を嫌っているだけだし。

ということで、戦争という“国家的事業”が開始されると、それに参加する人間には参加するに充分な“言い訳(=参加理由)”が必要となります。日本は満州に侵略し戦争状態をもたらし、その延長線上で太平洋戦争へと突入しました。それに対する責任を天皇ひとりにおっかぶせて、未だに学校でその戦争を明確に“教育”していないようです。

そういう社会構造だからこそ、世界各地で戦争が終わることはないのですが、一市民としてはそんな戦争で死にたくないと思います。一方で、地球が滅亡するのならそれを寿命と考えてもいいかなという、変な達観もありえるように思える。ま、そんなことを考えることすら馬鹿げてますけどね。

ということで、オッペンハイマーさんだけを死神扱いして、自分はそうじゃないと決め込んでいる人が多いけど、みんなチコちゃんに“ボーっと生きてるんじゃないよ!”と叱られましょう。←それで免罪符を得たと考える日本人のなんと多いことか。←これ発言者の僕を含むから“論理矛盾”ですね。命題にはならない(笑)。

そんな冗談で済ませられるハナシではないのですが、ドキュメンタリー細部には重い事実が感じられます。被爆経験者の田村秀子博士(写真3)の言葉に、オッペンハイマーを“死神”として片付けるだけでは済まないのだという、重みを感じるのでした。それを忘れないようにしないと。とはいえ、明日になったらおバカ映画に興じている僕がいると思います。
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