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2024年05月21日03:18

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いい映画だとは言いませんが、ひねくれた映画がお好きな方、ぜひどうぞ。トム・エドマンズ監督「やっぱり契約破棄していいですか!?」(2018)。

僕は2017年の11月にAFMで見ています。そのときは“トム・ウィルキンソンが殺し屋を演じるので、その落差が笑えるかと思ったのですが、落差がミスマッチなだけでした”とそっけない感想です。いちおう日本公開されたのでDVDも出ているから、機会があったら見直そうと思っていました。その機会が来たということです。

物語は、小説家志望ながらうまく行かず自殺を試みる青年ウィリアム(アナイリン・バーナード、写真2)が、通りがかった殺し屋レスリー(トム・ウィルキンソン)と自分を標的に殺しの契約を結ぶ、という展開です。鉄橋から飛び降りようとするウィリアムを真上から捉えた撮影が面白く、ラストも真上にドローン・アップ(撮影用語として定着?)するという“定型詩”でした(笑)。

アナイリン・バーナードって、あちこちで見る顔ですね。僕自身の日記を検索したら「プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード」(2017)で触れていました。“僕の全く知らない俳優さんでした。ルーファス・シーウェル系の人で、奇人・変人ではあるけど、トム・ハルスのような陽気な部分が感じられません”だって。今回も同じ。

ほかに「ゴールドフィンチ」とかいろいろ出ていますが、ブレイクはしてませんね。この映画のような捻った作品ばかり出ているから、と言えるかな。つまりこの作品、AFMで2017年11月に上映していたのに、本国イギリスでの公開は2018年11月、日本公開は2019年8月30日です。コロナ前だけど“人知れず公開”というパターンですな。

ということでトム・ウィルキンソンがかつては一流だった殺し屋を演じます。奥さんのペネロピ(マリオン・ベイリー)は刺繍に凝っていて、コンテストで優勝することを夢みている。ご丁寧にエンド・クレジットが刺繍になってました(写真3)。そして制作会社がGuild of Assassins(殺し屋組合?)だって。こういう笑いが好きな人、必見です。

僕は出版社の編集者エリー・アダムズとして登場するフレイア・メイヴァーに注目しておきます(写真2)。「アナザー」(2015)に出ているのか、メモメモ。こういうときに“借り放題”システムが生きるので、6月まで契約を続けようかなぁ。←僕はケチだから、その都度レンタルの何百円かが惜しいのです。年金の目減りのせいだ。

ということで、スマートでもなく、大爆笑を誘うわけでもなく、そこそこルックは良いというだけの自殺願望ドラマでした。これを“コメディー”と呼ぶには笑いが少ない。←決してシニカルだからなどと“持ち上げたくない”のです。それでも、こういう映画と色々出遭えたAFMの楽しさというものを、記憶の中にピン留めしておきたいので書きました。

そういえば殺し屋の元締め役でクリストファー・エクルストンも出ていましたな。ここでレスリーの妻が爆発してくれていたら、もっと印象が良かったかも。いや、逆に変な爆発はせっかくのドラマを壊すかも。「春画先生」の最後の25分という“失敗例”を見たばかりですからね。

前後して俳優久保新二さんの訃報に接し、同世代のひとりがまた先に逝ってしまい寂しい限りです。最近お会いしてませんでしたが、お会いすると賑やかに周囲の人間を巻き込んでくださる方でした。御冥福をお祈りします。
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