滅びのときがやってきた。とにかく出かけるときまでは確かに日常があったんだ。そもそもこの日の予定はウィンドウズアップデート&換気システム掃除で、嫌なことが連続していると言うだけでも本当に不快だったが、ともかくアップデートをかけながら換気システムを掃除することで時間の節約を図った。ここに何も問題はない。換気システムの掃除が半分終わって部屋に戻る、というのはただでさえ虫の死骸パンパンで死ぬほど嫌なのに換気システムから漏れた謎の油がネジ穴で固まって完全に開かなくなってしまったからだ。業者呼んどいてと家族に言って引き返すとまだアップデートは終わってない、まあいつもそうだからな。おれはタブレットからインターネットをしていた。業者はすぐに来たけど、これが終わってもまたもう一発防虫ネットで嫌な思いをしなきゃならないんだよな、最悪だなあと考えつつ、出かけた。
出かけた先は多分街で、何も買わず、図書館で抜き書きをした。帰宅するとウィンドウズアップデートが完了しており、デスクトップが壊れていてゴミ箱以外何も表示されてない。「完了」してしまった。そして再起動するとまたアップデートが始まった、地獄だ……。タブレットで検索してみると同じ症状で苦しんでいるひとが複数確認されるが、慰め以上のものは見いだせない。過去最大級にヤバい。三途の川状態だ。だいたい、マイクロソフトからアップデートしろってお願いされてんのにアップデートしたらパソコン壊れるとかアホか?? あなたのPCを保護しますとか言ってんのに内部から破壊してくるんだけど。このへんで本当に気疲れして半狂乱のようにもなってきたので元気もなく、頭も痛くなってくる。再起動したら常にウインドウズアップデートの続きが始まり、何が壊れているのかも分からない、何も分からない。スキャンしてもダメ、他のスキャンを試してもダメ、タブレットであらゆる方法を調べて片っ端からやってみてもダメ、何ひとつ成功しない、ウインドウズは真っ暗なまま、あまりにもつらい、つらすぎて家族の前で取り乱してしまった。リカバリをUSBに作ったのにそれすら応答せず、パソコンごともうダメという最悪の可能性しか見えなくなってしまった。しかし弱った脳で何度も繰り返すうちに、ある時点でセーフモードを有効にしたままだった、ということに気付いた。これを解消してBIOSからUSB起動を試すと、なんと成功する。精神の破滅の下げ止まりだ。ただ、PCのリフレッシュすらコケるので、これはいよいよ真っ白にするしかない、という絶望感は残っている。さっきまでウィンドウズを真っ白にすらできないのではという状況だったので前進は前進だが七時間くらい粘っているのに真っ白にするぐらいしか選択肢ない、音楽や作ってたもののほぼすべてが消えるのがつらい、しかしやらねばならない。ウィンドウズが更地になっていっている様子を見つつ、クリーンインストールが失敗する可能性についても考慮しているという状況、最悪の状況を脱したとはいえかつてないほどメンタルがむちゃくちゃなのは間違いないので。それで、クリーンインストールは成功したけど音がめっちゃ小さい。これは先に言っておくとメジャーアップデートをかけたら直ったので原因不明。しかしクリーンインストールでファイルをすべて失ったわけだ、と思ったがハードディスクを見てみるとパンパンに詰まっている。これはおかしい! どこかにファイルが残っているはずだ。希望が出てきた。どうもWindows.oldというフォルダに今までのシステムやファイルの大部分が残っているらしい。大部分というのは、homeフォルダに入っていたものは完全に残っており、システム側は半分ぐらい残っているということで、意味不明に消滅しているファイルもあるということだ。ずっとタブレットで気が滅入っているとはいえ、作った音楽、まあ作ったものは作品として大体アップロードしてあるので喪失感についてはそれほど考慮していなかったが、作っている途中のものを取り戻せそうなのは大きい。こういうわけで一日がかなり濃厚に最悪な形で終わった。ウィンドウズは結局寝る直前までアップデートを繰り返した。最悪ではないところまで持ってこれたのは幸福だったが、メンタルはめちゃくちゃになってしまったので、せめて悪夢を見ないよう祈って寝た。
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