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2017年12月31日15:10

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言語学者が語る漢字文明論

田中克彦の「言語学者が語る漢字文明論」講談社学術文庫 今年8月刊 を読んだ。 
 戦後は漢字はなるべく少なくして、だれでも知っているひらがなで読み書きしようという気風に満ちていた。1970年代の初め頃から風向きが変わってきた。それは政治が次第に逆戻りする流れと一致している。あっという間に、教科書などには一度も現れないソンタク(忖度)などが現れた。
 「漢字文化圏」ということばがあるが、これは「日本を最終の極限とし、幾世紀か後に、西欧文化との接触が始まるまで、日本を最後の実験室として日本からさらに先へ進むということはなかった」。まずベトナムが脱落し、次には朝鮮語が脱落した。
 NHKのニュースで「政府のシサンー試みの計算では」と言っていた。声でルビを振らなければならないような異様な言語を著者は知らない。
 おまえは何を言っているんだ、そんなものあるはずがないよ、あったとしてもヒミコの時代のものでそんなものはとっくに消し飛んでいるぞーと思う人は、もう日本語でやる学問などはやめた方がいい。
 魯迅は「漢字が滅びなければ中国が滅びる」と言った。安本美典の予測によれば、22世紀中には日本語の中から漢字がなくなるだろうという。2191年だ。1900年から1955年までの代表的作家の小説における漢字の減少傾向から推計学的に予測した結果だという。中国も日本もそうなってほしいと思う。
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