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2017年09月24日12:04

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青木利夫の「ロンドンからの手紙」

青木利夫の「ロンドンからの手紙」朝日新聞社 昭和53年 を読んだ。前の「ヨーロッパ感情旅行」からさらに6年前の話である。

 英国料理がまずい、というのはほとんど世界的な定評になっている。しかし中国料理店は進出している。メニューは香港と同じだが、西洋流に、まずスープから始まる。しかし移民たちの果てしない流浪を思うと、麻婆豆腐も、おいしくてやがて少しばかり哀しい味がする。

 女王がいちばんきらびやかなのは、秋の議会開院式の日である。金ぴかの馬車で、バッキンガム宮殿から国会議事堂へのりこまれる。まばゆいばかりの王冠をつけた女王は、議場で政府の施政方針演説を読み上げる。女王の英語はたいへん耳に快い。

 日本の輸出攻勢に押された欧州共同体は、「日本の経済競争力が強いのは社会保障に金を使わないからだ」と批判した。我々はそれを社会的ではなく、「会社的に」解決しつつあるからだ、という気がする。労働組合は賃上げと並行して社宅や諸手当の充実を図り、「福祉会社」かはとめどなく進んだ。より確かな生活保障を求めて、人々は大企業に終身雇用されたいと願う。

 その他、アパルトヘイト(当時はまだひどかった)やハイジャックへの対応など、考えさせられることが多い。



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