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2016年12月19日16:56

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本年最後の締め切り

詩の締め切りが迫っていたので苦闘していた。詩も散文も含めて最後の依頼なので、これさえ終われば師走と正月が来て、遊びほうけるのだ!という目算であった。「どうぞおしきなさいと」すすめられて「楽」に座るためにはそれなりの「苦」も経なくてはならない。結局3編を書いたが、最終的にこれと決めて推敲していた詩が最後になって突然、ハナに付く最悪の作品に思えてきた。柔道でいうと、技を決めに行ったところ、返されて一本取られた、ふうな悪夢に似た展開である。

このところ土曜美術社の『新編甲田四郎詩集』を折にふれ読んでいるが、いつも変わらず夫婦喧嘩だとか、気に要らない客の話だとか、日々のできごとがガンガン書かれている。だが実は非常にリズミカルで、ユーモアもあれば底意地の悪さとかヘンに純情な熱さとかが満載で、長距離走のように綴られていくのである。そこで気付いたことだが、その走る姿勢がちょっと前傾で、常に走る体勢にあるということだった。こういう身に染み付いている技のようなものが一番大事な物かもしれない。そうしたものはまた誰も真似することができない。これに比して私は気合が入ると、直立してしまいキメたはずの言葉によって逆につっかえる。決定的パンチを繰りだそうとすると完全に隙だらけ状態の棒立ちなので、K.Oを食らってもしかたないな、と自分でも思う。しかもスタミナ切れが思いのほか早くやってくる。

入念に仕上げてきたつもりの詩はできあがったものの、結局出すのはやめにして、他の新作も物足りないので、前に書いた未活字作品に手を入れて送信した。取り組んできた詩は違う時間帯に読んだら、よいところも見えるかもしれないが、本日はカバンにしまいこんで、誰にも見せたくない気分なのである。愛情をそそいだ分、よけいにそうなってしまうこともある。まあ、仕方ないなぁと思う。50年以上それをやってきたのだ。時々それらを卒業したかと思える時があるのは傲慢というものだろう。サクサク書けたら、とうに詩なんか辞めているよう気もするし。
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