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2016年04月10日13:36

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詩人クラブの三賞贈呈式

昨日は日本詩人クラブの三賞贈呈式があり東大駒場に出かける。

『冊』同人のおふたり(中村明美さん『ひかりの方へ』と北島理恵子さん『ぬり絵』)が新人賞にノミネートされたので来ないかと誘われたそうだ。ともに内気で、詩壇のお付き合いなどあまりない。上手さんが行くなら参加したいという。考えてみると柴田三吉さんがクラブ賞の選考委員だったので、みんなで行こうか、となった。

今年は行きたい別の理由もあった。今回クラブ賞を受けた林嗣夫さんの詩集『そのようにして』は、昨年読んだ詩集の中で一番引き付けられた詩集だった。『詩と思想』12月号「今年の収穫」で、よかった詩集の一番にそれを挙げた(ちなみに二番は谷川俊太郎。……私が力んで何番に書こうと何の影響もないのだが)。林詩集は賞で騒がれそうもない地味な存在だと思っていたので、同賞で選考委員推薦となっていると聞き、驚き喜んだ。蓋をあけてみれば受賞。高知から出て来られるとのことなので会いに行かねばと思った。会ったことはもちろんないし、交渉は全くないと思っていたが、前詩集も『詩人会議』の詩集評で私に取り上げられたと、ご本人から指摘された。探して読んだらその時も絶賛していた。岡野絵里子さんが林さんの詩は上手さんの詩と雰囲気が似ている、と言っていたが、外から見るとそうなんだろうか。私はああいう軽いタッチで書きたいのにできないので憧れがある。

往路で渋谷から井の頭線が発車する時、飛び乗ろうと走ってきたが扉がしまり乗れない元気な老人がいた。私は電車の中からその人に手を振った。あちらも気付いて笑いながら私を指差した。柴田三吉さんであった。二つ先の到着駅で待ち一緒に会場に行くと、いつも迷子になる中村さんが今日は早く着いたと鎮座していた(しかしちゃんと迷子を経由した後に)。北島さんも何事もなく到着ずみ。

新人賞は颯木あやこさんの『七番目の鉱石』だったが、その友人紹介をしたのは葛原りょうさん。昔は飲んだ続きで我が家に泊まったりした仲だが、ずいぶん久しぶりだった。詩界賞は今年は該当作なし。その報告をした選考委員長の三田洋さんは昔、『冊』同人だったので中村さんとは再会を喜び、北島さんとは初顔合わせとなった。

パーティが終わったのが7時なので、まだ早いよな、と渋谷で『冊』の4人と鈴木比佐雄さんとで飲む。近頃ではけっこう飲んだほうだが、二日酔いなどはなく今朝もさまざまな若葉や花に会いに行く。

追記。『冊』のメンバーに会えば、3月末締め切りの『冊』53号の進行状況を訊かれるのは必至だが、私はもちろん軽やかに答えた「もう入稿したよ」。
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