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2015年11月20日15:58

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「英語化は愚民化」を読んだ

施 光恒の「英語化は愚民化」集英社新書 7月刊 を読んだ。以前、永井忠孝の「英語の害毒」を読んだが、これと似た議論がなされている。中・高校でオール・イングリッシュ方式の授業をすることになり、大学ではすでに1部の授業を英語で行っているところがある。
 
 著者によれば、これは世界レベルの教育研究を行うことにはならない。英語が事実上の世界標準語になり、日本国内でも高度な学問などについて話す際に英語を用いることが普通となってしまえば、日本語は次第に衰退し、「国語」ではなく「現地語」になってしまう。

それでも、「これからはグローバル化の時代だ。だから日本語ではなく英語だ」という「英語化史観」が幅を利かせているのが日本だ。しかし、例えばEUでは英語を使うことが多い。EUのような共同体を作ったことで、それを動かす人は英語に習熟したエリートに限定される傾向にある。

 三木谷氏がほめそやしているシンガポールでは、エリート主導に陥ってしまう政治、民族間に生じる大きな経済格差、独自の芸術が生まれない文化的貧困などの問題にずっと悩まされている。それは英語を公用語にしたためだ。

 ここに述べ切れない多くの点があるが、ぜひ一読をすすめたい。

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