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2012年09月21日20:27

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頂き物0−20

『私的ゼロ外伝合作場』コミュにおける綾華☆☆様の物語に更新がありましたのでお知らせいたします。光に滅びつつある魔女が語る銀河皇帝ベリアルの真実。彼女の奉じる神が実は……という展開です。

日記の公開設定の関係上、本文を僕のコミュのうちの1つである『お話の預かり所』に置いておられますが、こちらでも公開させていただきます。

どうぞご覧ください。


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『宿命の旅路』第0章−20(綾華☆☆)

「ベリアルが、駒だと……?」

 ゼロは愕然とした。あの怪獣墓場での死闘で、完全にベリアルを葬ることが出来なかったばかりに、奴はこのアナザースペースに侵略者としてやってきた。この暴虐はすべて奴の仕業だと、ゼロはそう思っていたのだから。
 しかし、この魔女の背後にいる何かにとっては、そんなベリアルすらゲームの駒に過ぎないのだ。
 ではその何かがベリアルをこの宇宙に招き入れ、宇宙のありかたすら歪めるような事態を招いたのか。それをゲームだと、この魔女はいうのか。

「そして私はベリアルの強さに心酔したダークゴーネに近付き、ベリアルに取り入ることができた。忠誠の証にブラディ・ガーブを差し出したら喜んで身につけてくれたわ。
 ふふっ。我等の偉大なる神の形代になるとも知らずに」
「形代? ではまさか、あのマントを着たら、その者はマントを作った者に乗っ取られるというのですか?」
 尋ねたミラーナイトの声には、驚愕の響きが滲んでいた。

「ご明答よ鏡の騎士。でも私にも一つ計算違いがあった。何事も予定通りいかないものね。でも番狂わせこそが面白い。そう思わない?」
 嘲弄の色もあらわに応える魔女。

「ベリアルの中には別な精神体が巣食っていた。それはなかなか強力で、我らが神も即座に侵食することはかなわなかった。光の戦士よ、さぞおまえの宇宙でも名の通った存在だったのではないかしら?
 でもそのせいで、おまえたち光の民たちは神の介在に気づかなかった。神の御業を卑小なる身で推し量ることなど所詮できぬということよ」
「喰らっただと? あのレイブラッドを……」

 ゼロがいた宇宙で厄災を撒き散らした憎むべき悪魔レイブラッド。実体を失った身でありながら数多の種族に自らの闘争遺伝子を忍ばせ、果てしない戦いへと陥れた魔王にも例うべき難敵を、この魔女の背後にいる者は喰らったというのか。さすがに隠せぬ狼狽に、嗤う魔女の瞳が細く絞られる。

「それさえいなくなればベリアルを乗っ取る必要などなかった。あの力に溺れた単細胞な猿には、ただ囁けばよかったのだから。それだけで我が神の望むまま、勝手に踊ってくれたのだから。
 そう。『全ての宇宙は、貴様のモノだ』とね。
 ふふ……」

−21へ続く

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