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2012年04月08日03:27

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地下P03:昭和と平成の合体

今回この地下版では、3人のウルトラマンが合体してサーガが出現するという、いわばお約束の部分に手を入れる目的から原作を一度解体して再構成することになります。そのためダイナとコスモスという2人のウルトラマンを外して、ビーストを宿した人物とゼロを宿したタイガの合体により、闇と光が同居する不安定な存在としてサーガを捉え直すことになります。この変更は3つの光を合わせたいわば安全な合体から出現するサーガを勝利への最終ステージに立たせる場合に比べ戦いの最後の最後までスリルを保てるメリットが期待できますし、シナリオ上でもそれを念頭に置けば、往生際の悪いバット星人が子供たちにとても卑怯な手を使い、強大な力とは裏腹に不安定で危険を伴うサーガの自壊と傷ついたゼットンの回復を狙った時間稼ぎをする場面を設定でき、それがタイガが抱えた両親を亡くしたというトラウマへの最後の攻撃ともなるという手が使える道が開けます。そのためにはこの合体がゼロにとっても危険なものである必要が出てきますので、ここでM78星人としてのウルトラマンと、光の巨人としてのウルトラマンという2つの異なる系列における同化や変身の解釈を少し整理しておくことにします。

ゼロは「帰ってきたウルトラマン」以降鮮明になっていった光の国の宇宙人で、彼らは本来人間そっくりのヒューマノイドタイプの種族だったけれど、人工太陽のプラズマエネルギーを浴びたことで超人と化したという設定になっています。これらの作品群ではウルトラマンたちは頻繁に人間と一体になったりその姿に変身したりしますが、少なくとも映像の上では人間以外の生き物に同化したり変身したりという場面は見かけません。初代「ウルトラマン」で人間と異質な生き物とみなされていたウルトラマンは、いつしか外的な要因で力を得ただけの、生物としてのレベルでは極めて人間に近い種族であるとされるに至っているのです。彼らはしばしば瀕死の状態の人間と同化しますが、そのことによって同化された人間の肉体も修復され、分離したときにはいかなる後遺症も残らない。初代ウルトラマンにも見られたこの特性は、確かに生物レベルで極めて近似した種族であるからだと解釈したほうが自然なものではあります。それは裏返せば、あまりに異質な相手と合体すればなにが起こるかわからないということにもなるわけで、ここでは物語へのスリルを期待して、光の国のウルトラマンは同族や人間が相手なら安全に同化できるけれど、相手が異質なら決して安全は担保されず、彼ら自身にとってもあえて試みたこともない未知の領域であると解釈することにします。その上で倒した怪獣の因子を取り込み怪物化しつつある人物と同化した結果がサーガのあの姿だというわけです。

平成ウルトラマンの系列は光の国の宇宙人という設定をいったん白紙に戻したところから始まり、最初のティガで人間の持つ光の力が巨人に力を与えるという、ある意味オウムが世間を騒がせていた世紀末にふさわしい新興宗教っぽい地平から出発しました。それはティガがかつては闇の巨人だったとする劇場版や2人の巨人が対立するガイアなどを経て、最終的にはネクサスにおいて、光と闇はいずれも人間を変貌させる力という点において同じというか地続きのものにすぎないというところまで先鋭化されます。力はただ人間に変貌と試練をもたらすだけであり、それが光となるか闇となるかは人間の出す結果次第。ネクサスはそんな物語でした。

だからこの地下版では、バット星人の最後の陰謀に対して3人の心が一つになったとき、力ははじめて光になる。そういうお話を目指してみたいと思います。


地下版サーガプロジェクト04:ゼットンの力とサーガの力 →
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← 地下版サーガプロジェクト02:タイガについて
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