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2011年01月20日19:38

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仮想TVシリーズにおけるダークロプスゼロ

ダークロプスゼロの登場する全2巻のDVDはゼロ劇場版1と2の間に起きた物語ですが、映画を観てからこのDVDを観ると、映画に登場する量産型のダークロプスとDVDに出てくるプロトタイプでは2つの点で大きく違っていることが注目されます。1つ目は量産型が別宇宙に渡るときにはカプセル状の宇宙船に乗っているのに、プロトタイプは胸に装備された装置の力で自ら別宇宙に渡るのみならず、その装置で敵を次元の狭間に吹き飛ばすこともでき、おそらくそれらの機能を支える必要ゆえに惑星を丸ごと吹き飛ばせるほど過剰なエネルギーを溜め込んでいる点。もう1つがロボットであるにもかかわらず、明らかに知性や感情さえ備えた人工の人格を有する存在として描かれている点です。彼の前ではサロメ星人のニセウルトラ兄弟など、心なきデクノボウにすぎません。

おそらくDVDのダークロプスゼロは様々な実験用に過剰な装備を与えられた試作機であり、劇場版2のダークロプスはその結果を受けて集団戦闘には不要な装備を削り、個別の人格の代りに連携を重視したある種の集団知能を搭載したものになっていると考えるのが、それぞれの描写からみて妥当な解釈だろうと思います(戦いぶりを見る限り、サロメ星人のニセウルトラ兄弟もこれに近い設計方針のようです)

ダークロプスゼロはいわば心を持たされた人形。けれども彼は、実験データを取るだけ取られたあと、量産型の設計方針の変更を受けてエネルギー切れのまま別宇宙から回収されずに廃棄され、それがサロメ星人の手に渡ったのではないかと思います。そう考えると人工の人格の奥底に徹底的に刷り込まれたカイザーベリアルへのあの忠誠心も趣深いというか、実に哀れを誘います。主にとっては捨て駒でしかないにもかかわらず、忠誠心に呪縛された人形。

DVDではウルトラマンゼロやレイたちの活躍で宇宙の捩れが解消され、死んだはずの別宇宙の住人たちも時間を溯る形で復活していましたので、この際ダークロプスゼロも同様に事件の記憶を残したまま復活し、自らの宇宙に戻ることにします。けれどもその宇宙では主たるカイザーベリアルはすでに倒され、自らの醜悪な似姿のごとき量産型ダークロプスを交えたベリアル帝国軍の残党が、ウルトラマンゼロをはじめとする4人のヒーローと戦っているばかりでした。

ダークロプスゼロの知性は、自分が主に見捨てられていたのだと告げています。けれど確かめるすべはもはやなく、彼は自分が否定されたことの証したる量産型ダークロプスにも、かつての自分のみならず断ち難い忠誠心を捧げた主までも滅ぼしたウルトラマンゼロにも激しい憎悪を抱かずにはいられません。彼は一匹狼の暗殺機と化して量産型ダークロプスを血祭りにあげつつ、滅びた主の秘密を追うゼロたち4人の行く手に複雑に絡んでくる。

私的劇場版3へと続く仮想TVシリーズの敵役。そんな形でぜひレギュラー出演させたいキャラでした。

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