この「ダボシャツの天」は、政岡としやの漫画が原作(写真3)ですね。つまり、学生の愚連隊に対して兄貴面をするチンピラが主人公。それを36歳の川谷拓三さんが演じるのには無理がありました。さらにヒロインの夏(竹田かほり)が、奈良県十津川村から出てきた孤児という設定にも、奈良県出身の僕には違和感がありすぎなのでした。
天(川谷拓三)は、母親から“通天閣のようにまっすぐ育ちや”と命名されているのですが、ヤクザの端っこにも入れてもらえないチンピラというのが、ちょっと無理があるのです。漫画のような子供の年齢なら納得ですけどね。川谷さんのチンピラぶりも、おもろない。←竹田かほりって、甲斐よしひろの奥さんかいな。
てなわけで、室田日出男さんや志賀勝さんが特別出演という扱いですが、漫画ならすんなり読み飛ばせるギャグも、ピラニア軍団があちこちに顔を見せているので、なんともまとまりがつかんのでした。山下耕作監督としても、三島由紀夫に褒められた「総長賭博」の雰囲気まで高められてないし。
とりあえず弟分たちが持ち寄った軍資金で、天だけが単身“自費で”九州へ乗り込む、というあたりは面白いのでした。やっぱり中島貞夫監督による「大阪電撃作戦」や「北陸代理戦争」という面白い作品を見ている僕としては、せっかくの川谷さん主演作ではあるけれど、この「ダボシャツの天」は、すんなりと受け入れられないのでした。
それと、Wikiの「ピラニア軍団」のページに、僕の名前が入っているのはこそばゆいなぁ。あのころ僕は、三上寛さんのお手伝いで東映京都撮影所へお供していたけど、三上寛さんからLP企画を持ちかけられて“乗った”のは事実だけど、担当ディレクターは桑原くんなので、彼の手柄を横取りしたくありません。
そんな「ピラニア軍団」が先日再発売され、あの時代の“熱さ”を思い出させてくれました。それにしても、僕の息子が室田日出男さんの縁者と結婚するなんて、世の中不思議なめぐり合わせというものが多いですね。とりあえず僕も、レコード業界の末端で生きていたんだったと、いろいろ思い出しています。
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