第17話が「危険な潜入」で、人身売買事件を捜査中のベンソン警部たちSVUは、逮捕した犯罪者たちの中に元同僚で今は潜入捜査官のジョー・ベラスコ(オクタビオ・ピサノ、写真2)を見つけます。もし彼が潜入捜査官だとバレたら命が危ない。しかしベラスコも命がけで、知り合った組織の女性を救出しようとするのでした。
ベラスコはシーズン21の第一話から参加していましたが、潜入捜査のほうが自分に適していると異動したのでした。そのあたり詳しくは憶えていませんが、見覚えのある顔なのでした。なになに、生まれがメキシコのティファナだって? LAツアーのついでに“メキシコを体験しよう”ということで足を伸ばしたことのある国境の町ですな。
この事件で救出した女性が、“まだ妹が捕らわれている”ということで、SVUに救出を依頼するのでした。同時にベラスコの麻薬局上司からは、潜入捜査がオジャンになると圧力が。しかしベラスコの希望ということで、彼の安全を真っ先に担保するようにと麻薬局から言い渡されます。二重のサスペンスが利いたなかなかの一篇でした。
そして第18話が「格闘家のギミック」で、ホテルで起きた死亡事件をきっかけに、SVUはプロ格闘技の世界に足を踏み入れることになります。有名スター選手が起こした幼児虐待という犯罪に対し、ベンソン警部とカリシ検事補は、友人を救うために声を上げるよう被害者に促す。
カリシはその正義感から、スター選手である被告(マーク・ロルストン、写真3右)に対し、攻撃的な尋問を法廷で行ってしまうのでした。当然、訴訟指揮する判事からストップがかかる。こういう“勇み足”が描かれる場合、被告が罪を免れることが多い。つまり、リアルな裁判ドラマとしてこれ以上踏み込めないからこそ、“勇み足”になるのです。
さすがに27年間も見てくると、作り手の事情まで見えてきますね。それでも、あくまでもドラマはアクチュアルに描き、しかし現実の壁を観客に分かってもらいたのです。このシリーズにそんな方向性が多くなってきたのも、アメリカ大統領にトランプという“独自の正義”を振りかざす人間が就任してからだと僕は考えています。
とりあえずシーズン27もあと5話を残すだけとなりました。そして今年の10月からはシーズン28が始まるようです。多様化の時代といえば聞こえはいいのですが、正義が通じないクライム・サスペンスは、どう考えても理屈に合わない。しかし無理が通れば道理が引っ込むのが世の中です。とりあえずドラマの中だけでも正義が成立してほしいな。
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