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2026年09月21日00:01

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やはり俳優経験のある無しが映画出演には大きな要素となるようで。斎藤達雄監督「東京だョおっ母さん」(1957)。

僕は今まで、俳優さんの演技というものについて語ったことがありません。僕は演技が上手いか下手かという切り口で俳優さんを語れないから。僕はそれくらい演技について無知です。しかし今回、「東京だョおっ母さん」という東宝の歌謡映画を見て、演技云々ではなく“人物に成り切れない”被写体を見て、卓袱台をひっくり返したくなりました。

この映画はコロムビアレコードでミリオンセラーとなった“東京だョおっ母さん”という曲をモチーフに、61分の映画を作ったわけです。19歳で150万枚のヒットを飛ばした島倉千代子を主役に据え、杉葉子、千石規子、賀原夏子らをワキに揃えて、歌謡メロドラマで客を集めようとしたわけです。

しかし監督の斎藤達雄が、島倉千代子に演技をさせられなかったのか、彼女の顔のアップで画面が切り替わるシーンがことごとく無表情なスチルショットなのでした。これは演技について何も知らない僕でも、映画のリズムとしてサイテーだと思う。気の利いた監督なら、島倉千代子のいろんな表情を撮影しておき、その中からどれかを選ぶんじゃないか。

その点、千石規子あたりは心得ていて、賀原夏子の万屋に毎日のように顔を見せ、ちゃっかりアメ玉を頂戴するという小技を見せているじゃありませんか。もし島倉千代子から何も引き出せないのなら、せめてカット切り替えをもっと素早くすればいいのに。そのあたりを周囲のスタッフが気を利かせてカバーすることすらないから驚きます。

とはいえ、ヒット曲に便乗した商業路線の中編に、目くじら立てて文句を言う僕も僕ですが、やはり素人にでもダメなカットは分かるものだよと、老婆心で申し上げています。なにしろ島倉千代子さんは、阪神タイガースの4番打者だった藤本勝巳と結婚したお方ですから、演技云々程度の話で文句を言いたくないのです。

しかし斎藤達雄監督って、元は俳優さんですよね。小津作品にも出ていたはずなのに、監督になってしまったら演技指導ってやつをしないもんなんですかね? 少なくともラッシュを見て、この編集でOKを出したんなら、職業監督としていかがなものか? いやはや、しょーもない映画のしょーもない部分に文句をつけて、しょーもない日記でした。
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