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2026年08月25日00:16

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もしグレース・ケリーがこの映画で女優復帰していたら、もしかしたらヒッチコックの最高傑作となっていたかも? アルフレッド・ヒッチコック監督「マーニー」(1964)。

僕は今でこそ“ヒッチコックの最高傑作は「サイコ」”だと信じていますが、それを確信したのはテレビで「サイコ」を見て以後の話(1973年ごろ)です。それまでは「鳥」(1963)がベスト作品で、高校生だった僕は夏休みの自由研究として、この「鳥」についてリポート用紙10枚ほどの感想文を書きました。生物の先生に驚いてもらったっけ。

それはともかく、「マーニー」にはショーン・コネリーが出ています。当時「007」映画で世界的になったショーン・コネリーがアメリカの若手大金持ちビジネスマンを演じ、女泥棒マーニー(ティッピ・ヘドレン)に惚れて彼女の犯罪歴をなかったことにしようとする話です。ヒッチコックはコネリーを“歩く男性器”と評したと大宣伝されました。

その前にヒッチコック監督は、グレイス・ケリーに対して女優復帰する気はないか?と連絡していたそうな。ケリーはMGMと1本出演契約を残したままモナコ王妃となり、かなり女優復帰の可能性を探っていたようです。同時にヒッチコックは、「鳥」の主役に抜擢したティッピ・ヘドレンにぞっこんだったらしいという話も、後にバラされました。

この「マーニー」公開時には、ティッピ・ヘドレンは二十歳代という触れ込みでしたが、実際はショーン・コネリーより8か月年上のようです。だからマーニーの母親役を演じたルイーズ・ラザムは、ティッピより7歳年上なだけ。マーニーのトラウマとなった事件の母親役も自身で演じきりました。周囲では“あの女優、誰?”と話題になったとか。

僕は「マーニー」のトラウマとか、彼女が赤い色に強迫観念を抱くとか、そのあたりが図式的すぎて嫌いでした。今回見直したら、ショーン・コネリーの亡妻の妹として登場するダイアン・ベイカーが興味深かったな。義兄の職場に来て昼飯をたかるうえに、マーニーに当てつけるようにコネリーとキスするなどなど。

とはいうものの、2時間10分は長すぎます。ヒッチコックがティッピ・ヘドレンにぞっこんだったという俗説を叩き込まれているせいで、ますますマーニーの能面のような顔が気に食わないし(笑)。いちばん気に入ったのが、マーニーの“You Freud, me Jane?”というセリフですね。“ユー、ターザン、ミー、ジェーン”からの引用ですわ。

それとラトランド氏の金庫番を演じるのがマリエット・ハートレイでした。「昼下りの決斗」でおなじみですが、笑顔が素敵な女優さんです。でもヒッチコックは、金髪で左利きの女性が好みなのです。ダイアン・ベイカーもマリエット・ハートレイも、単なる“お飾り”でしかないようで。ポスターに込められたヒッチの“本心”をお楽しみください。
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