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2026年08月11日03:22

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このころの増村保造監督は“成人映画”専門だったみたい(笑)。増村保造監督「刺青」(1966)。

増村保造監督のフィルモグラフィーを眺めると、「“女の小箱”より 夫が見た」(1964)、「卍(まんじ)」(1964)、「赤い天使」(1966)に、この「刺青」(1966)と、成人映画指定が続いています。もっともそれには映倫の意向というものがあり、その裏には警察の方針が関わってきます。だって三島由紀夫主演の「からっかぜ野郎」(1960)まで“18禁”ですよ。

それはともかくBS12 トゥエルビ(222ch)で、増村保造監督の「刺青」(1966)を放送してくれました。画質には定評のある大映映画ですし、増村作品ですから当然ハイビジョン録画しました。若尾文子は当時32歳。僕は当時18歳。つまり1966年の4月24日で、成人映画が見られるようになっていたのです。←公開は1月だから、ロードショーでは見てません。

というか、きちんと見るのは初めてという感じでした。「赤い天使」は封切りで見たけどなぁ。とりあえず18歳になってしまったら、“成人指定”という制限が関係なくなるから、そんな作品ばかり見るという方向に気ならなかったしだい。やはり“制限”されているからこそ、見たくなるものですから。

原作は谷崎潤一郎。って言っても、僕はほとんど読んでいません。文字を読むより映画を見るほうがいい、という“思想”です。←なんか“思想”という言葉を用いるのは恥ずかしいな。でも、“好み”と言うよりは、もう少し“事を構える”という雰囲気があったのでした。そんな時代です。

物語は、刺青師清吉(山本学)が、理想の女性の肌に自らの魂を込めた刺青を施すという“道を極める”行為と、商家の娘お艶(若尾文子)が手代の新助(長谷川明男)と添い遂げたくて家出するのですが女郎として売られ、女郎蜘蛛の刺青を施された魔性の女として男どもを惑わす話でした。

今の僕から見ると、刺青の女郎蜘蛛がそれほど迫らないし、お艶の魅力もそこまで凄絶ではないというこなんですが、とにかく映画館で上映して問題ない程度に過激で、男性観客の劣情に対しては相当本気になって作っています。これが「盲獣」につながり、「制作の妻」の最映画化へと発展したのでした。

そもそも刺青のイラストが、今の僕にはイマイチ。そしてその“画材”となった肢体が、若尾文子であろうがスタンド・ィンであろうが、そこまで惚れ込めるレベルではない。しかし公開時にはそこそこ話題になりましたね。そして各社で“刺青女性”を題材にした映画が作られた記憶があります。

そういう意味で、道ならぬ恋という題材(谷崎文学というお墨付き)を得て、増村監督は新助にいれこむお艶の姿を際立たせています。女郎蜘蛛という刺青を彫られたがための人生転落か、そもそも転落するしかない女の情念だったのかという、増村保造監督にはもってこいの題材ですね。

すでに斜陽として“娯楽の王様”の地位からずり落ちていた映画が、まだまだ捨てたもんじゃないよと意地を見せているような気がしました。そんな内容が86分。潔いじゃありませんか。ハイビジョン録画して、永久保存版にしなさい。←ブルーレイに焼いたら、もうすぐ再生不可になりまっせ(笑)。

imdbのページには、英語字幕付きのカットが収録されていました。さすがはimdb。ありがたく頂戴しておきます。おまけとして、Google翻訳も付けて。
写真1=これで、私が貪り食った最初の男になったわけね。写真2=それだけじゃない。お前は生まれつきの男食いよ。写真3=まさか、お前のような悪党がそのための備えがない、なんてことはないだろうな。
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