名古屋で映画館を開業しようとした若松孝二監督が東京の映画館勤務を辞してに名古屋に戻ってきた青年を支配人にスカウトし、映画館の営業を開始する。映画青年の支配人は名画座にこだわるが客の入りは悪く、若松オーナーの要望もあり、売り上げのためにピンク映画も上映する。同じ頃、名古屋の予備校に通う映画青年もその映画館に入り浸り、若松監督が来館した際に弟子入りを志願する。東京の大学に入学した青年は若松プロで助監督として絞り上げられ、名古屋の映画館はミニシアターブームの波に乗ろうとしている頃、青年が通っていた予備校の映画を撮る機会が若松プロに訪れ、青年は監督をすることになる。
「止められるか、俺たちを」のその後の若松監督と若松プロとシネマスコーレ黎明期を描く青春グラフィティ。
もう滅茶苦茶面白いぞ。破天荒な若松監督の暴れっぷりを見ているだけで笑いが込み上げてくる。主人公映画青年が大人になって本作を監督していて、当人が当人の若い頃を描く。自虐の世界もまた楽しい。
映画館アルバイトの在日女性はフィクションらしいが、この存在は映画の要にもなっている。
名古屋のシネマスコーレという映画館は行ったことがなく、存在こそ昔から知っているけど、名古屋という地に縁がなかっただけ。あの辺りに住んでいたら間違いなく入り浸っていただろう。
ラストの方であの世にいる若松監督のモノローグが描かれ、結構悲しい。そうか、ほぼ晩年に精力的に作品を発表していた頃の若松監督で続きがあってもおかしくないな。
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